【東京オートサロン2019】ダイハツ・ハイゼットトラック ジャンボカリフォルニア工務店Verは職人技の賜物

●「パイプの曲げ!見てってください!!」細部までこだわったハイゼットトラック

東京オートサロン2019、今年もダイハツブースはいつも大勢の人で賑わいました。東ホールから中ホールへの連絡通路を抜けるとダイハツブースが見え、その入り口に近いエリアで大変注目を集めていたのが「ハイゼットトラックジャンボカリフォルニア工務店Ver」です。

運転席周りのスペースが広く、実はドライブしてもかなり快適な部類の軽自動車ではないかと以前から思っているハイゼットジャンボ。アシグルマに何か一台軽自動車を買うなら有力な選択肢になりうる一台だと思っています。実際、あれは去年のオートサロンでしたが、九州の福岡から宮城県の石巻までハイゼットジャンボでドライブする途中で取材して、出色の快適性に驚いたのはまだ色濃く残る思い出だったりしています。

ハイゼットのジャンボは、軽トラながら「ゆとり」がキーワードのモデル。そんなモデルをベースに、今回スローでロハスなカリフォルニアスタイルの暮らしを提案するカリフォルニア工務店とのコラボレーションコンセプトモデルをオートサロンに発表していました。オートサロンの三日間はあっという間に過ぎてしまい、なかなか時間が取れなかったのですが、ダイハツブースで少しだけお話を聞くことができました。

シュピーゲルのリフトアップもかなり来場者の反響は良かった模様。

かなり一般来場者の方からの反響も大きかったようですが、実は制作過程での苦労、メーカーが出すからにはという意地やプライドもお話を伺うと垣間見えてきます。

メーカーならではの仕上がり!そういう意地が細部の仕上げでもこだわりにつながる。そんな技の競演もオートサロンの見どころ。

「あの荷台の黄色いロールゲージのようなパイプ。サーフボードが載せてある架台ですが、あれも普通はもっと溶接して多少仕上げをした程度というものが多いのではないでしょか。しかし、あれを作ってくれた職人さんは、少しずつ曲げて、自然な丸み、カーブを表現してくれました。そしてもっとすごいのはサイドに設けられたステップの部分に設けられたひし形状の枠。同じパイプを加工して作ってくれたのですが、あれ、カーブの部分を細かく裁断してカーブを作りながら再度溶接して作っているんですよ。一見何の気なしに見ているものも、結構手間をかけて作ってます。」とのこと。

このカーブの部分は細かく裁断したものをつなぎ合わせてカーブを構成。一点ものならでは苦労も。

ハイゼットトラックジャンボは他のブースでもリフトアップされていたりしていましたが、堂々とした雰囲気があるため、あまり軽自動車という枠組みを感じさせないのも、こういうコンセプトにぴったりなのかもしれませんね。フロントのルーフに設けられたライトも、パイプの中に配線を埋め込み配線が見えないようになっていたりするのも、こだわったとのこと。

またフロントバンパーの部分にコンセントのマークがあり、その部分を開けると電源も取れるというコンセプトなのだそうです。こんなハイゼットのジャンボ、思わず欲しくなってしまいますよね。

軽トラ=仕事クルマと決めつけるのは、もはや過去の話。これからはこんな自由で楽しいクルマ、オートサロンのような場で消費者の反応を観ながらでも構わないので、どんどん出してほしいものですね!!楽しみです。

コンセントのマークもデザインに。仕事柄電源を求めてうろうろすることも多い筆者。このアイデアはとても良い。

ちなみに、その横のミラ・トコットをカスタマイズしたコンセプトモデル。その中のコチラのモデルは少し車高を上げて、見栄えをアップし、可愛いイメージを残しつつすこしワイルドなタイヤを装着して、女性に向けてインスタ映えするようなアピアランスに仕上げたのだそうです。トコット軍団の中では一番お気に入りの一台でした。

(中込健太郎)