ISGの電気モーター(16kW/250Nm)は、街中でも前面に出てくることはなく、言われてみればモーターアシストがあるのか? という程度でその存在を感じさせません。さらに、ジェネレーター(発電機)により、回生時にも想像よりも失速感(減速感)が少なく、いい意味でハイブリッドらしくないというのもISGのメリットといえるかも。
さらに、走り出すと間もなく電動スーパーチャージャーの加勢があるので、中・低速域でもスムーズで力強い走りを容易に引き出せます。「256」型の3.0L直列6エンジンは、435ps(320kW)/6100rpm、520Nm/1800-5800rpmというアウトプットで、直6らしい滑らかな加速フィールも感動モノといえる手応えだけでも買い!! といえるほど。公道ではもちろん踏み切れないほどの速さで、「AMG ダイナミックセレクト」で「スポーツ+」にすると、迫力満点のエキゾーストノートとともにパワー感がさらに増していきます。
試乗日は、首都高速湾岸線が主なコースで、しかも渋滞もあったため、4MATIC+のハンドリングは味見程度でしたが、4WDを意識させない軽快さもあり、飛ばしても圧倒的といえるスタビリティの一端を垣間見ることができました。
スポーツサスペンションに加えて、タイヤは「アドバン・スポーツ V105 MO」フロント245/35R20、リヤ275/30R20というサイズもあって乗り味はそれなりにハードではあるものの、快適性もしっかり担保されていて、滑らかな加速フィールも燃費(JC08モードのハイブリッド燃費は10.0km/L)得たいというニーズに応えてくれる仕様といえそうです。
(文/写真 塚田勝弘)