「ホンダ スーパーカブ」は、実用派からオシャレ派まで、みんなに愛され60年

■みんなに愛され60年! ホンダ  スーパーカブ

【ホンダ スーパーカブの魅力をあらためて想う】

横浜の街を快走するスーパーカブ110。

スーパーカブと言えば世界が認める傑作車。生誕60年の歴史を誇り、グローバルでの累計生産台数は1億台を超えています。ホンダを支え、そして同ブランドを象徴してきた超有名モデルです。

4代目となる新型が2017年の11月10日に発売されるや、今や人気沸騰中。

元来、ビジネス用途に開発されたモデル。新聞や郵便配達、そば屋の出前等で活躍する姿は良く知られています。耐久経済性に富み荷物の積載性に優れたキャラクターには定評がありましたが、加えてファッショナブルな乗り物としての評価も俄然クローズアップされ出しているのです。

カラーバリエーションも豊富に揃えられた(写真は110)。

スーパーカブは基本的に50と110があり、よりヘビーデューティな仕様の「プロ」、さらに遊び心を満載した話題の「クロスカブ」を追加投入。さらにプレミアムモデルのC125も加わり、EVモデルへの期待も含めてますます注目を集めています。

2017年11月の発表試乗会。4世代目となる新型スーパーカブ50(左)と110。

既に完成された機能的魅力に惚れて25年以上カブ(50と90)を愛用していた筆者も、最新モデルの出来の良さには脱帽です。素直に扱える操縦安定性、疲労の少ない快適な乗り心地、抜群の燃費性能。そしてどんな使い方にも対応できるレベルの高い実用性は抜群です。

昔の話をすれば、商業用途ゆえに一般ユーザーには見向きもされない時期がありましたが、今やカブの素晴らしさを知る人は多く、オシャレに乗りこなす若い女性ライダーも増加傾向にあります。

全機種に採用されたLED式ヘッドライト。
シンプルで見やすいスピードメーターと燃料計。

新型は、丸形ヘッドライト等、往年のスーパーカブを彷彿とさせるデザインモチーフを随所に採用しながら、全体的にマイルドで優しい雰囲気。優美な流れを感じさせる微妙な三次元曲面を駆使したスタイリングは、従来までのビジネスモデル然とした質実剛健ぶりとは一線を画す上質な仕上がりを魅せています。ヘッドライトがLED化されて新時代のモデルであることもハッキリと主張されています。

セル始動だがキックペダルも装備されている(50と110)。
空冷OHC単気筒エンジンは水平に近い前傾レイアウト(写真はCC110)。

搭載エンジンは穏やかながらも頼れる太いトルクを発揮する110と、小気味よい伸びが楽しめる50。いずれもエンジンは震動が少なく噴き上がりがスムーズ。クラッチレス(自動遠心クラッチ)なので、扱いはとても簡単です。

靴を痛めない左足のシーソー式ペダルで変速操作は必要ですが、エンジンが柔軟なので、変速を不精してもある程度はカバーできる扱いやすさも魅力です。

ヘビーデューティーな実用車スーパーカブ・プロ(写真は110)。
人気に拍車をかけたクロスカブ(写真は110)。

シフトペダルの前を下に踏み込んでロ-ギヤに入れ、あとは右手のアクセルグリップを手前に回せば誰でも簡単に発進できます。その後の4速トップまでシフトアップやダウンをしますが、操作は簡単。初心者でも不安なく扱えるので、バイクの楽しさや気持ち良さが自然と素直に理解できるのです。

プレミアムモデルとして追加投入されたスーパーカブC125。

市街地の日常的な足代わりから、荷物満載で長距離冒険ツーリングのお供にも最適。その万能ぶりでスーパーカブの右に出る物はありません。

(近田 茂)