【週刊クルマのミライ】ホンダがマジ実験。エンジン音は乳児の癒しになる?

ホンダが驚くべき実験をしました。「クルマのエンジン音で、赤ちゃんは安心するか」が、そのテーマです。

子育て経験のあるドライバーなら、夜泣きに困って赤ちゃんをドライブに連れて行ったら泣き止んでスヤスヤと眠ってくれたという体験をしているかもしれません。

それはエンジン音によるのではないか? という仮説をもとに、クルマのエンジン音に秘められた効能を活かした、一台のぬいぐるみを生みだしたのです。

その実験は、クルマのエンジン音は胎内で聞いていた音に似た周波数(250Hz以下)に似た成分が含まれているため、赤ちゃんが安心するという仮説をもとにしています。

まずは37台のホンダ車のエンジン音を集め、その中から胎内で聞いていた音にもっとも似ていると思われたクルマのエンジン音をクッションに収めたスピーカーから流すことで、赤ちゃんが落ち着く(泣き止む)のかを実験しました。

動画によると12人中11人に鎮静効果がみられたということで、仮説は仮説ではなくなり、実際に効果があると考えられるようになったわけです。

そこで、効果のあったエンジン音を任意に流せる機能を持った「Honda サウンドシッター」と名付けられたぬいぐるみを製作。さらに、実際に赤ちゃんに使ってみると、たしかに効果があったというのが、この動画の結論です。

残念ながら「Honda サウンドシッター」は非売品だそうですが、発売を求める声は少なくなさそうです。

実験の結果、もっとも胎内の音に似ているとされたのは最新のスポーツフラッグシップ「NSX(2018年)」だったそうです。

なお、最終選考に残ったのはIntegra Type R(2001年)とS2000(1999年)だったというのは偶然にしても、スポーツカーには乳児の癒し効果があるといえるのかもしれません。

NSXはハイブリッドカーですが、それ単体で507馬力を発生する3.5L V6ツインターボを積んでいます。そのエンジンに癒し効果があるというのは、乳児だけでなく大人のドライバーも感じることかもしれません。

電動化が進む中で、エンジンを積まないクルマも続々と登場しているわけですが、はたしてゼロエミッション車には癒し効果があるのでしょうか。

ちなみに、サンプリングした37台のホンダ車は、次のラインナップでした(順不同)。

Civic(1993年)
NSX-R(2002年)
CITY(1982年)
Integra Type R(2001年)
Accord Euro-R(2000年)
Prelude(1984年)
CIVIC(1987年)
S800(1966年)
NSX(2001年)
Z(1998年)
INSIGHT(1999年)
S600(1964年)
FCX Clarity(2008年)
INTEGRA TYPE R(1995年)
TN-V(1974年)
S500(1964年)
Life(1974年)
PRELUDE (1978年)
BALLADE SPORTS CR-X(1983年)
CIVIC TYPE R (2007)
T360(1965年)
today(1985年)
SPORTS 360(1962年)
NSX (2018年)
ACCORD INSPIRE(1989年)
INTEGRA(1986年)
CIVIC(1972年)
CR-V(1995年)
S2000(1999年)
CR-X(1987年)
PRELUDE(1987年)
ODYSSEY(1994年)
CIVIC TYPE R EURO(2009年)
1300 Coupe 9(1970年)
N360(1967年)
Vamos HONDA(1970年)
CR-X del Sol(1992年)

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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