【ホンダ・ジェイドRS 試乗】ハイブリッド仕様の走りの美点と課題とは?

ホンダ・ジェイドRSハイブリッドに搭載されている「SPORT HYBRID i-DCDハイブリッドシステム」は、フィットをはじめ、フリード、ヴェゼル、シャトルやジェイドなど、コンパクトから少し大きめのサイズまでをカバーするホンダの1モーターハイブリッド仕様。

アトキンソンサイクルエンジンと組み合わされる7速DCTにモーターが内蔵されていて、小型軽量を得意とするホンダらしいハイブリッドといえるでしょう。2013年にフィットハイブリッドに搭載されて以来、度重なるリコールを受けながらもスムーズさに磨きを掛けています。

1.5Lの「LEB」エンジンに7速DCTが組み合わされるジェイドRSハイブリッドは、131ps/6600rpm、155Nm/4600rpmというエンジン出力に、22kW(29.5ps)/160Nmというモーターが加勢する構成になっていて、システム最高出力は112kW(152ps)。

バッテリー残量によるものの、発進時や低速域ではモーター走行のみも可能で、加速時はハイブリッド走行、高速走行時はエンジン主体で、走行状態や勾配などに応じてハイブリッド走行になり、減速時などには回生。

先述したように、2013年のフィット搭載時によりも洗練されているのは明らかである一方で、街中で多い中・低速域では少しギクシャクした加速フィールになってしまうシーンも残されています。エンジンが主体になる中・高速域ではホンダらしい軽快さが際立ってくるのは、ヴェゼル・ハイブリッドなどほかの「SPORT HYBRID i-DCD」などと同じ感触といえます。

一方、RS専用セッティングとなる足まわりによる乗り心地の良さは魅力。RSは、2列シート仕様になったことで60kg軽くなり軽快なフットワークも得られています。パワーステアリングのセッティングも軽すぎず重すぎず絶妙で、高い応答性と安定感を両立。

さらに、ミニバンやSUVと比べて重心が低く、フットワークの良さだけでなく、高速道路などを使った長距離走行でも横風を受けた時の安定性など、ステーションワゴンならではの走りの利点も十分に感じられます。

高速道路を使ったロングドライブで気になったのは、「ホンダ・センシング」のアダプティブクルーズコントロールの制御。直線での作動は問題ないものの、カーブでは隣の車線を走行する前走者を検知して、ブレーキを作動してしまうシーンが多く、少し課題であるといえそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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