【ホンダ・CR-V試乗】さすがホンダと感じさせる正確な走り。一気に車格が向上した感も

4代目は日本に導入されず、5代目の途中から日本での発売となったホンダCR-V。それまでのシリーズと同様にホンダらしいキッチリした正確な走りを持つモデルでした。

パワートレインは2リットルのハイブリッドと、1.5リットルのターボの2種類があります。ハイブリッドは145馬力/175Nmのエンジンに184馬力/315Nmの組み合わせ、1.5リットルターボは190馬力/240Nmのスペックを持ちます。

パワーフィールがいいのはやはりハイブリッドでした。ハイブリッドは全域でトルクフルな走りが可能で、どんな速度からでも力強い加速感を得ることができます。

1.5リットルターボは回して楽しいタイプのエンジンなので、走りそものものは気持ちよく味わえるのですが、SUVであるCR-Vとの組み合わせだと、ちょっと性格が違うかな? と感じます。

足まわりについてもハイブリッドのほうがいい印象でした。ハイブリッドはモーターやバッテリーを搭載するので、当然のことながらエンジンモデルよりも車重が重くなりますが、その車重の重さが功を奏している感じです。全体的にしっかりとした落ち着き感を持っている印象です。

だからといってエンジンモデルが不快なわけではありません。どちらも路面の荒れや継ぎ目などを上手にいなしながら快適な乗り心地を提供してくれます。

そしてなかなかの秀逸さを持つのがコーナリング性能です。ホンダはこうしたSUVであってもハンドリングに関しては手を抜かないというか、キッチリ走らせないと気がすまないというところが「らしさ」として現れています。

これが一人で乗っても楽しい……というホンダらしい部分を象徴しているところだといえるでしょう。

一世代、間が開いたこともあり、一気に車格が向上した感じも受けるのが今回のCR-Vです。その高級感は見た目だけでなく、乗り味にも十分に反映されていました。

もはやSUVは悪路を走るクルマではなくなりました。新車が出るたびにそのことを実感しますが、CR-Vはさらにその感覚が強まった1台でした。

(文/写真・諸星陽一)

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【ホンダ・CR-V試乗】帰ってきたCR-Vは3列シートやハイブリッドで大進化
https://clicccar.com/2018/11/03/647222/

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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