【BMW X4・試乗】もはやSUVはスポーツカーの1バリエーションとなったと実感

フルモデルチェンジして2代目となったBMWのSUVモデルX4は、既存のSUVという感覚からはかけ離れたスポーティなモデルでした。

エンジンを始動すると、けたたましい排気音が響き渡ります。試乗車は360馬力/500Nmのスペックを誇る3リットル直列6気筒エンジンを積むM40iです。

エンジン始動後、しばらくは迫力のある排気音を持続し、目覚めを演出するようになっています。しかし、これはやり過ぎ、これを容認できるにはかなりの広さの土地が必要で、日本では始動時には静かでなければ受け入れられにくいでしょう。

ハイブリッドでさえEVモードが喜ばれる国民性です。どんなにいい音でも、自分の家の近所では静かにしておきたい……それが日本人の考え方ですから、早急に改善するべき項目といえます。

走りそのものは、もはや少し前のSUVとは異なるスポーティさにあふれるものです。最近は欧米のSUVを中心にスポーティさがどんどんと上がっています。かつて、スポーツセダンが台頭したのと同じように今はSUVの世界でそのスポーティ化が進んでいます。

すごいのは、ある程度車高が高いのもスポーティさをしっかり実現している部分だといえます。

試乗車X4 M40iの動力性能は文句なしです。停止状態からアクセルを踏み込めば、怒濤の加速を得られます。高速道路の流入でも白バイに追いかけられる速度に達するまではあっという間。駆動方式が4WDなので、エンジンのトルクは効率よくタイヤに伝わり、加速に不安感はまったく伴いません。

コーナリングの正確さも申し分ないレベルです。車高は高いですが、ロール感はほとんど感じることなく、グッと踏ん張ったコーナリングです。ステアリングを切った瞬間の動きもよく、まるでスポーツカーのようです。

先にも書きましたが、かつてのスポーツセダンに求められた性能が今のSUVにはあると言って間違いないでしょう。

(文/写真・諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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