ジープという名前を聞けば誰もがそれが高いクロスカントリー性能を誇る4WDモデルであることがわかるメジャーブランドです。本国アメリカを除けば、日本が一番ジープが売れているというのですから、びっくりでもあります。
なかでもラングラーは、1941年に登場したウイルスMB直系のヘビーデューティなモデルとして世界中から注目されているモデルです。
そんなラングラーが11年ぶりとなるモデルチェンジを果たしました。
従来モデルに比べてホイールベースは65mmも延長され、5ドアでは3010mmとなりました。素晴らしいのは、ここまでホイールベースを延長しながら、最小回転半径は従来モデルに比べて0.9mも短くなっていて、取り回し性が向上していることです。
クルマのサイズそのものが大きい(全長×全幅×全高=4870×1895×1840mm)ので、交差点などではそれなりに気を使いますが、以前感じた“持て余す”感はなくなっています。
かつてSUVはRVやクロスカントリー4WDという呼び方をされていました。もともと軍用車としてスタートしているジープは、戦地をはじめとした不整地での高い走行性能を重視して作られたモデルです。そしてそのDNAは現代に引き継がれています。
かつてのRVやクロスカントリー4WDをSUVと呼ぶ風潮はありますが、ラングラーはその方程式には当てはまらず、今もクロスカントリー4WDのままであるといえます。
もちろん、現代に通用する快適性やユーティリティ性は十分に備えていますが、その根本はクロスカントリー4WDのままだといえるでしょう。ディープパープルがヘビメタにならずにハードロックのままでいるのと同じなのです(わからない人が多いだろうなあ)。
(文/写真・諸星陽一)