【LEXUS UX試乗】Cセグメント国際標準サイズのSUV「レクサスUX」は2018年末に発売予定!

試乗でも進化のほどがはっきりと感じられたのは、そのガソリンモデル「UX200」でした。CVTでは実用回転域となる2000rpm前後でのトルクの厚みはダウンサイジングターボにもひけをとらずといったところで、アクセルの微妙な操作にもCVTがカチッと応答し、回転をいたずらに高めることなく粘り強い加速をみせてくれます。

また、スポーツモード時のステップシフトの変速速度は加減速ともにレスポンスよく、そのダイレクト感もお見事。発進時にエンジン回転と速度上昇が合わずにぐにゅーんと加速しているかのようなラバーフィールも解消されているなど、CVTのイメージを大きく覆してくれるスポーティな味付けとなっています。

とはいえ、ハイブリッドモデルの「UX250h」も既定路線というわけではありません。新型エンジンは回転フィールが軽やかになり、音・振動の特性も改善されるなどしていますから、エンジン始動時のショックや静粛性などは従来の6気筒ハイブリッドにも迫る上質感を得るに至っています。更にこちらもモーターの使用領域を広げてエンジンの無駄吠えを抑えるなど、アクセルを大きく踏み込まずともトルクでぐいぐいと押していく味付けを意識しているようです。

ダイナミクスに関しては新プラットフォームの低重心を活かして自然なロール感でギュンギュン曲がっていく軽快感が目立ちますが、より注意深くみれば、走る曲がる停まるの一連の動作が違和感なくスムーズに繋がること、そして前方の視界や見切り感に長けていること…といった、意識せずとも幸せになれる日常域での素直さが際立っています。

UXの発売予定はこの年末です。対車格でみれば恐らくお値段はちょっと張るでしょう。でも毎日を豊かにしてくれる仕立ての良さと人に優しい性能とを併せ持った貴重な選択肢として、多くのユーザーにはミートするのではないかと思います。

(渡辺 敏史)