マツダが「A New Era Begins November 2018」という、わずか15秒(実質的には6秒程度)の動画を公開しています。
直訳すると「新世代は2018年11月に始まる」となりますが、その新世代という言葉が指しているのは、次世代デザインであると想像されます。なにしろ、この動画では赤いハッチバックのCピラーと、シルバーのクルマのサイドキャラクターラインをチラ見せしているだけなのです。
しかしながら、このわずかな情報から伝わってくる「新世代」が表現しているのは、マツダが2010年より続けてきた魂動デザインの深化版であることは間違いありません。豊かな一枚の面で表現されたCピラーには、マツダの次世代デザインがエレガンスを重要なテーマとしていることが感じられるのではないでしょうか。
この赤い(おそらく新しいソウルレッド)のCピラーだけが見えているクルマが、コンセプトカーではなく市販前提のプロトタイプであろうと予想できるのは、ドアハンドルの形状にあります。
2017年の東京モーターショーに出展された「MAZDA KAI 魁 CONCEPT」では埋め込みタイプの、いかにもショーカー的な処理でしたが、このムービーで紹介されている車両は、いかにもつかみやすそうで、市販車ライクです。つまり、次世代デザインが間もなく市販車として登場するというわけです。
その車両こそ、これまでもマツダの次世代テクノロジーを切り拓いてきた「アクセラ」であることは容易に想像できるわけですが、動画の後半に登場するシルバー(マシーングレーの新色の可能性もあります)のボディカラーのクルマの存在が気になります。
こちらのクルマではフロントフェンダーから続く、明確なキャラクターラインをアピールしていますが、後席ドアパネルの形状から赤いクルマとは異なるモデルだと想像できます。
そして、これもドアハンドルやドアミラーの形状からデザインスタディのコンセプトカーではなく、量産モデルのディテールを撮ったものだと予想されます。仮に、これが次期アクセラを示しているだとすると、後席ドアの異なったセダンボディがバリエーションとして用意されていることのアピールだと考えるのが妥当かもしれません。しかし、同じシリーズで異なるドアパネルを用意するなんてことがあるのでしょうか。
この強く明確なフロントのキャラクターラインが、リアに向かうにしたがい溶け込んでいくボディに、以前から噂になっているFRプラットフォームを示すことを期待してしまうマツダファンも少なくないかもしれません。
(山本晋也)