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■ドクターヘリがスタンバイする『Dコールネット』(救急自動通報システム)
クルマを運転していれば誰もが交通事故に遭遇する可能性持つ。自分で注意していたって相手から突っ込まれたらいかんともしがたい。もし事故で意識を失うようなケガを負ったらどうか? 自ら連絡できなければ、誰かが救急車を呼んでくれるまで待つことになる。はたまた単独事故であれば、通りがかりの人に見つかるまでそのまま。出血多い重篤なケガだと生命に影響するし、痛いです。
そんな時に素晴らしい効能を発揮するのが『Dコールネット』(救急自動通報システム)という新しい「安全装備」だ。私のような専門家ですら知らなかったのだけれど、今や素晴らしい状況になっていた。以下、具体的に紹介しよう。御存知の通りクルマはたくさんセンサー付いている。事故に遭った際、1)エアバッグ展開の有無。2)事故時の車速。3)事故で受けた衝撃Gなど即座に判明する。
システムを搭載している車両が事故に遭ったなら、自動的に車両から緊急対応センターに信号を飛ばす。そいつを受けるとオペレーターは車両に異常あったと認識して「どうしましたか?」と車両直通の回線で連絡を入れる。車両側と通話出来れば具体的な状況を聞き、必要性に応じ救急車の手配など行う。問題ない場合「それは良かったです。何かお手伝いできることあればどうぞ」で通話終了。
もし電話に出られず、車両側のデータで大きな衝撃Gを感知していたら、事故に遭遇した場所もGPSで判定し特定可能。すぐさま救急車を手配。同時に速度域高く車両が大きいGを受け傷害の度合いが大きいと判断されたら、ドクターヘリの指令センターにも自動的に連絡が入る。飛行可能な場所や時間、天候であれば即座にスタンバイ。エンジンも始動し、すぐ飛べるような体制を取る。
重篤な傷害だと時間の経過と共に状況は悪化していく。事故で車体に挟まれているようなら、ずっと激しい痛みが続く。Dコールネットにさえ繋がっていたら、救急車やドクターヘリも飛んでくる。ちなみにドクターヘリの特徴は速いということだけでなく、救急車と違い医師も乗っているため、傷害を受けた人とコンタクトした時点から医療行為(痛みを止める麻酔も含む)が出来ることです。
■どうすればDコールネットに入れるのか?
ここまで読んで「どうやったらDコールネットに入れるのか?」と思うことだろう。あまり知られていないことながら現在すでに60万台近くの車両に端末が搭載されているという。トヨタはクラウンとカローラ・スポーツ以降の「コネクテッド」対象車全てDコールネット対応。レクサスについちゃ全車に展開済。ホンダもメーカー装着のインターナビ搭載車全てが対象車になっているという。
ただホンダ車は車載器のセットアップを行わなければ機能しないという。ブルートゥースを持つ携帯端末を持っていればスタート出来る。なぜかホンダディーラーでこの機能をユーザーに教えようとしないため、インターナビを付けている多くの人は使っていない(私もステップワゴンでは使っていなかった)。これほど安心なシステムなど無いため、ぜひセットアップしたらいい。