Tier1(ティア1)のメガサプライヤーであるヴァレオがCEATEC JAPAN 2018に初出展し、目玉として披露したのは、日本初公開の「ヴァレオ XtraVue」という技術。
自車のインパネに配置されたディスプレイに、前方車の先が「透けて見える」映像が表示されるという驚きのテクノロジーで、先行車を追い越しする際、右折時などに本来「見えない先」を見通せるほか、「渋滞の先頭はどうなっているのか?」など、いままで実現できなかったことを可能とする技術。
システムは、自車にテレマティクスアンテナ、ヴァレオのレーザースキャナー(自動車業界で新型アウディA8に初搭載)、コンピュータ画像カメラシステムを使い、先行車のカメラ映像を自車のディスプレイに重ねるように映し出して、透ける映像が可能になるというものです。
「CEATEC JAPAN」の会場では先行車(日産エクストレイル)と自車(レンジローバー・イヴォーク)の間をWi-Fiを使って通信していましたが、将来的には5Gと車対車(V2V)ネットワークを使ってデータを統合したいとしています。
同技術を実現するには、自車に上記のテレマティクスアンテナ、ヴァレオのレーザースキャナー、コンピュータ画像カメラシステムが必要ですが、先行車や路上の監視カメラなどは汎用カメラでも対応できるそう。なお、「CEATEC JAPAN」の先行車であるエクストレイルのカメラは、エクストレイルの純正ではなく、ヴァレオ製を使用。
これを実現するのは、使われる方のカメラ(先行車両や路上の監視カメラ、場合によっては5G対応のドライブレコーダーも登場すれば)所有者の承諾の有無や、セキュリティ面の課題などもありそうですが、事故を大きく減らす革新的な技術になりそうです。
(文/写真 塚田勝弘)