先日、日本では新型「BMW X4」のメディア向け公道試乗会が行われましたが、先週パリモーターショー2018では最新BMWのキーマンの方々にお話を伺いました。
ちなみに現時点(2018年10月14日現在)での日本におけるBMWの最新モデルはプレミアム・ミドルクラスのSUV「BMW X4 」。BMWではX4のようなスポーティでクーペスタイルのお洒落なSUVのことを「SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)」と呼んでいます 。2014年に初代が発売されて以降、初のフルモデルチェンジです。
今回試乗したのはよりスポーティな3L直列6気筒ガソリンエンジンを搭載するMパフォーマンスモデル「X4 M40i 」。大型のキドニーグリル、リアのリアライトが立体的でより大胆になり、エクステリアではサイドのキャラクターラインも強烈に入っているのが印象的。近くで見ると実は美人・・・みたいな彫の深さ。また、BMWの最新安全システム「ドライビング・アシスト・プラス」は、ルームミラーにステレオカメラを内蔵し、ほかにもミリ波レーダー・センサーを前後に5基装備して安全性を向上させています。
それにしてもBMWはデッドスペースの有効活用が得意なようで、その中のひとつがルームミラー。ルームミラー内にはこれまでもETCカードが内蔵できるようにするなど、なかなかデザイン的にも実用的にも使えるアイデアマンのようです。
そして世界的なBMWの最新モデルの話を、パリモーターショーでそれぞれのキーマンに伺いましたが、今回は2018年10月13日から日本でもWEC(世界耐久選手権)が開催されることもあり、今年のル・マン24時間耐久レースで世界初公開された「BMW8シリーズ」を8シリーズプロダクト・マネージャーのカースティン・グレーバー氏のお話。
グレーバー氏によると。
「8シリーズはドリームカー。いいクルマとは、子どもが喜ぶクルマ、いつまでも憶えていてもらえるクルマがいいクルマの証だと思っています。新型8シリーズは、サーキットを走ってもカッコよく、しかもこのクルマで旅行しても快適。誰でも運転して楽しいクルマです。剛性は数値を上げるだけではダメ。サーキットで乗ってみなければわかりません。なぜならそれは総合的なものであり、8シリーズにはM社がこれまで培ったモータースポーツの経験から走りの精密性が盛り込まれています」。
そしてなぜ今、8シリーズが復活したのか?と質問すると、グレーバー氏はニヤリと笑いながら、「BMWには8が付いているクルマがずっとありますよ。i8です。しかしi8とは違うコンセプトですし、3気筒のハイブリッド、カーボンで軽量構造などということもあり、ダイレクトには比べられません。また、1989年に初代8シリーズが登場しましたが、初代と今とでも共通ではありません。初代は快適性の追求で、7シリーズのコンセプトに近いものでしたが、新型8シリーズはスポーツカーです。これはお客様の希望によるものです。そして8はアジアでラッキーナンバーとされています。BMWは高いプレミアムセグメントという自負が十二分にあります。私は今年2018年2月に東京に行き、ディーラーの方々とお話しをしましたが、東京はスタイリッシュなクルマを好む若い人が多く、しかも購買力が高いと聞いています。まさに8シリーズは東京向けのクルマ。東京はいいデザインが求められる街です。そして日本はBMWにとって重要なマーケットのひとつ。なぜならモータースポーツが尊まれているからです。完璧なデザイン、モータースポーツ性の高さ、そしてBMWは日本ではいいイメージでとらえられています。若いイノベーティブなブランドとも。まさに8シリーズはピッタリです。今はSUVに追い風の時代ですが、それぞれどのクルマも果たす任務を受けています。ガレージに両方のクルマがあってもOKなのでは?」とのことです。
つまり・・・新型X4と新型8シリーズの2台持ちがおすすめのようです。
(吉田 由美)