先に結論を話すと、私は「XC40 T4 Momentum」の方が快適でした。「走りに差がある」という理由ではなくリラックスして運転することが出来る&乗りやすかったからです。
この2台、最大トルクはXC40 T5 AWD R-DESIGN:350Nm、 XC40 T4 Momentumは300Nm 、最大出力がXC40 T5 AWD R-DESIGN:185kw、 XC40 T4 Momentum:140kw で、性能的に異なりますが、普通に運転した限りでは「走りの性能」に、大きな差は感じられませんでした。
では、なぜ私は「XC40 T4 Momentum」が良いと思ったのか? 理由は「車内の居心地の良さ」にありました。
フロントアームレストの下には、小さめのハンドバックやドラッグストアで売ってあるサイズのティッシュボックスを収納できるスペースがあります。着脱可能なゴミ箱もセットされているなど、手荷物や常備品があってもゴチャゴチャしていない、あえて見せない収納が心地良い空間を演出していました。
携帯は置くだけで充電できるQi(チー)を搭載。充電コードがないだけにスッキリとして見えます。使いたい時にすぐ手に取れます。
ドアポケットにはノートPCも収納できるスペースがあります。フェルトが貼ってあるので傷も付きにくくなっています。使う人のことを考えてくれています。
9インチのディスプレイは縦長でスマートフォンのようで、タッチパネル式。操作もしやすく分かりやすいです。ユーザーの収納性を良くして欲しいという声を形にし、整理整頓された車内での運転は安全にも繋がると考えたそうです。
試乗したXC40 T5 AWD R-DESIGNとXC40 T4 Momentumは、車両本体価格に100万円程差があります。
「グレードによって金額の差があるのは、その分何かを削っているのですか?」とVOLVO広報部の方に伺いました。するとVOLVOらしい答えが返ってきました。
安全なクルマ・VOLVOでは、安全装備は各グレード全て同一ですが、それぞれのグレードによってキャラクターが違うからだそうです。
XC40 T5 AWD R-DESIGNはスポーティー、XC40 T4 Momentumはカジュアルというように、イメージに合う素材で内装を構築していくと価格に開きが出来てしまったとのこと。
その証拠に、そのグレード限定の内装やカラーリングがあります。
「アマゾンブルー」はXC40 T4 Momentumグレードでしか選択できないカラーです。一世を風靡したボルボ・アマゾンの復刻色なんですよ。私は6色ある選択肢の中で、このアマゾンブルーが一番好きです。どんな街並みにもマッチする色だし、どこかほっと落ち着けるようなブルーだからです。
私は少し感じたことがあります。グレードという言葉を使っていますが、車格的なグレードではなく、どちらかというと各車、個性を持ったバージョンではないかと。
XC40シリーズを購入するときは値段ではなく、どのバージョンが自分のライフスタイルに一番合っているかを考えて選ぶのが正しい選び方ではないかと思いました。
収納や携帯の充電など、運転席に座れば全て手の届く範囲で行える便利さ。それにも関わらず、内装はお洒落。例えるなら、生活感はあるけど生活臭はしないクルマだと思います。ファミリーカーとしても十分活躍しそうですが、家族のための車というよりは、ドライバーがクルマで移動する時間を優雅に過ごせるなと感じました。
だからこそ私は、仕事に育児に頑張っている女性にオススメしたいです。このクルマが心に余裕を持たせてくれそうだから。
(写真・文/矢田部明子)