【ルノー メガーヌR.S.試乗】FFとは思えないほど曲がる「4コントロール」と、高い接地性と乗り心地を実現する「4輪HCC」とは?

なお、メガーヌGTとの違いは、レースモードにすると切替速度が約100km/h(メガーヌGTはスポーツモード時に約80km/h)となる点。ほかにも、緊急時にはステアリングの回転速度からリヤタイヤの舵角を増やし、車体の動きを安定化させる制御も入ります。

メガーヌGT、メガーヌR.S.の「4コントロール」の効果は、同位相、逆位相のいずれでも制御は比較的分かりやすいものの、他メーカーの採用時と比べると、とくに中・低速域の逆位相時の違和感が比較的少なく感じさせます。

箱根ターンパイクで試乗したメガーヌR.S.メガーヌGTは首都高速などで走らせる機会がありました。「4コントロール」の効果は、シーンを問わず絶大。さすがに「もう曲がらないだろう」というコーナリングでもでも、もうひと曲がりする感覚には驚きの連続でした。とくに、急に荷重をかけるのではなく、ゆっくりと荷重をかけていくとその利点がよく体感できます。

さらに、メガーヌR.S.(GTも)はリヤサスペンションがトーションビームであるにも関わらず、ある程度の速度域までは路面を捉えて放さない高い接地性を披露。

一方のフロントサスペンションは、初代メガーヌR.S.から採用されているDASS(ダブル・アクシス・ストラット・サスペンション)。こちらは、専用のアクスルを追加することで、入力が入った時の上下動に影響されずに、常にタイヤの中心に荷重がかかるようになり、より正確な操舵ができるというもの。

さらに、「HCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)」による効果が大きく、ダンパーのバンプストップラバーの代わりに仕込まれているセカンダリーダンパーの仕事が乗り心地と接地性に貢献しています。

セカンダリーダンパーがピストンの減衰力を発生し、メインとなるダンパーのストロークを規制することで、バンプラバーのような反力や振動を伝えず、タイヤのグリップを確保しながら、乗り心地も両立できるというわけです。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる