アウディは2025年までに主要マーケットにおいて12モデルの電気自動車を発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3まで引き上げるとアナウンスしています。
電動化車両の中で今回発表された「Audi e-tron」と2019年にデビューするという「Audi e-tron Sportback」がSUVモデルで、ほかにもアウディお馴染みのAvant(ワゴン)やSportback(ハッチバック)といったモデルも用意されるそうです。
「Audi e-tron」は、全長4901×全幅1935×全高1616mmで、2928mmというロングホイールが与えられたSUV。5人乗車が可能なキャビンと、660Lという荷室容量を確保。
システム出力は最大300kW、トルクは664Nmに達し、0-100km/h加速は5.7秒、最高速はリミッター作動で200km/h。駆動方式は4WDで、2つのアクスル間で駆動トルクの配分が理想的かつ連続的に可変制御されます。ほとんどのシーンでは、最高の効率を達成するために主にリヤに搭載された電気モーターを使うそうです。
なお、1回の充電で400km(WLTCモード)以上の走行が可能で、回生されたエネルギーによる航続距離への貢献は最大30%に達するそう。
さらに、最大150kWの直流(DC)充電器で急速充電することが可能なのも特徴。これにより約30分で急速充電が可能で、最大11kWの交流(AC)でも充電することもできます。オプションで、22kWの充電にも対応するとしています。
なお、今回発表された「Audi e-tron」、2019年デビュー予定の「Audi e-tron Sportback」には、アウディの「モジュラー ロンギチューディナル プラットフォーム」を採用。同コンポーネントをはじめ、主に駆動システム分野の革新的技術により、電動quattro(クワトロ)4WDを備える電動化シリーズの構築が可能になるとしています。アウディの新世代電動化モデルに共通するのは、最大150kWの急速充電と長距離ドライブに対応する点です。
さらに、アウディでは、2018年末に別の「eプラットフォーム」を採用した最初のコンセプトカー「Audi e-tron GT concept」をロサンゼルスオートショーで発表する予定とのこと。
同モデルはフラットなフロアアセンブリーを備えたダイナミックなクーペで、ポルシェとの共同開発。それでいながら、「Audi e-tron GT concept」のデザインとキャラクターは、アウディのDNAを受け継いでいるとしています。
さらに、アウディとポルシェの開発部門のもうひとつの共同プロジェクトが、「プレミアム プラットフォーム エレクトリック(PPE)」。BからDセグメントまでをカバーする複数の電気自動車モデルファミリーのベースになります。
この「PPE」を使いSUVと従来からあるボディタイプの両方のコンセプトが計画されているそう。PPEの強みは、電気自動車専用に開発され、重量、パッケージング、ボディのプロポーションの自由度などの利点があるそうです。
フォルクスワーゲングループのいくつかのブランドは、特に大量生産されるAセグメントにおいて、一連のアウディの電動化モデルの基盤となる「モジュラーエレクトリフィケーション プラットフォーム(MEB)」の開発に協力。このうちの1つは、EVを推進する中国の要件に合わせて開発されています。
アウディはプラグインハイブリッド車のラインナップも大幅に拡大する予定だそう。技術開発担当取締役のメルテンス氏は「将来的には、事実上すべての市場セグメントに、電気モーターと内燃エンジンを組み合わせたモデルが導入されます。それらのクルマは、コンセントから充電することが可能です」コメントしています。
(塚田勝弘)