【新車】「出すなら力を入れて開発」。カムリの新グレード「WS」は「カムリスポーツ」を謳う渾身作だった

2018年8月1日にトヨタ・カムリの新グレード「WS」が設定されました。「WS」は「Worldwide&Sporty」の略で、CMでは「CAMRY SPORTS」という呼称(通称)が与えられています。

現行カムリを日本に導入した際にも、北米に設定されているスポーティグレード(SE、XSE系)は日本で発売しないのか? という声があったそうですが、勝又正人チーフエンジニアによると、現行カムリの導入当時は「日本のユーザーが(スポーティすぎて)ついてこられないのでは?」という商品企画上の理由で見送られたそうです。

蓋を開けてみると、スポーティグレード「WS」を求めるニーズがあり、新型導入後1年で新グレード(しかも最上級仕様)を発売するという異例の流れになったようです。さらに、勝又氏は、当初の見込み違いを認めながらも、追加モデルを出す以上は北米仕様をそのまま日本にも導入するのではなく、力を入れて日本向けの「WS」を開発したと明らかにしてくれました。

「CAMRY SPORTS」を謳うだけあって外観はなかなかスポーティ。ヘッドライト下のロア部をバンパーの最も外側まで拡大したコーナー開口部とすることで、ワイドで重心の低さを抱かせる顔つきになっています。さらに、コーナー開口部を立体的に突出させることでスポーティさを強調。加えて、サイドロッカーとの連続性も抱かせる造形にすることで、低く構えた印象を強調しています。

リヤは、2本出しのマフラーエンドを左側に配し、マフラーの横側をディフューザー風の形状にするなど、後ろ姿もスポーティムードがより濃厚になっています。

外観では、キャビン上部のブラックアウト化も見どころです。リヤCピラー(クォーターピラー)の中程で斜めにスパッと見切りを入れるユニークな2トーンを採用。この色見切りはセダンでは世界初の試みとのこと。こちらは、板金の見切りであり、異なる部品で見切られています。なお、追加グレードの「WS」用に見切りが設けられたのではなく、従来からある現行カムリの全車(モノトーン車)にもあります。なお、「WS」にはモノトーン仕様も設定されています。

「WS」は足まわりも専用チューニングが施されています。カムリに期待される「カーペットライド」と呼ばれる快適な乗り味を少し我慢しながら、スポーティに仕上げるべく、ダンパーチューニングを実施。ダンパーのロッドガイドブッシュ、ピストンバンド、オイルを専用開発し、ライントレース性を向上させたそう。乗り味については、試乗する機会がありましたら後日ご報告します。

装備では、JBLとの共同開発となる「JBLプレミアムサウンドシステム(9スピーカー)」が目玉。現行カムリの試作段階からJBLが参画し、フロントピラーのホーンツィーターが専用開発されたほか、高性能な8chアンプなどの採用により、前席のみならず後席でも高音質を楽しめる設計が施されています。試聴する機会がありましたが、細かな再現性と迫力のある重低音を確認できました。

カムリの「WS」は、367万2000円(レザーパッケージは434万1600円)という最上級グレードではあるものの、スポーティな外観と走り、次世代を謳うサウンドシステムの設定により音にこだわる層に支持されそうです。

なお、オプションの「T-Connect SDナビゲーションシステム」、「JBLプレミアムサウンドシステム」はセットで41万3640円。「WSレザーパッケージ」、「Gレザーパッケージ」にメーカーオプション設定されるほか、「WS」、「G」の「T-Connect SDナビゲーションシステム」にメーカーオプションでも用意されます。

(文/塚田勝弘 写真/トヨタ自動車、塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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