【スズキ・ジムニー試乗】教えて開発者さん!新型ジムニーの気になる点を色々質問してみた

── ヒーター性能は、スズキのほかのモデルと比較して強化されているとのことですが…

A:クルマを使うユーザーの使用事例を考慮し、他車よりもヒーター性能が重要と考え、強化しています。

※寒冷地などの厳しい環境でも活躍するジムニーらしい配慮といえそうです。

── エアコンユニットのHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)パネルは他車と共通ですか?

A:クロスビーなどから一部を流用して新規開発しました。

── シートフレームは、現行アルトなど、最新の軽自動車で共通化されたものと同じですか?

A:一部の部品は共用していますが、ジムニー専用です。

※現行のアルトでは、超高張力鋼板980MPaを使ったフロントシート用フレームが新開発されています。

── リアシートがシングルフォールディングでフラットに畳めるようになりましたね。

A:操作性とレイアウトの改善を実現させました。

※軽自動車に限らず、背もたれを前倒しするだけですむシングルフォールディングが現在の主流になっています。

── エンジンはアルトと共通の「R06A」ですが、違いはありますか?

A:アルトの「R06A」と基本的に同じですが、ジムニー専用にチューニングを行っています。さらに、ジムニーはエンジンが縦置きになるため、アルミオイルパンや吸排気システムを専用開発しています。また、オフロード走行に対応すべく、水や泥などへの対策として専用の補機ベルトシステムを開発しています。

── 先代のJB23と比較するとスペックでは最大トルクがダウンしていますね

A:「K6A」エンジンよりも低速域のトルクを重視し、燃費と走りのバランスを取った結果、スペック上はダウンとなりました。

※新型ジムニーの最大トルクは96Nm/3500rpmで、先代は103Nm/3500rpm。最大トルクは下がっているものの、実際に乗ってみると低速域からトルクは十分に感じられます。小型のタービンを使ったターボや慣性モーメントの高いフライホイール、低速から高い駆動力を発揮するトランスミッションなどにより実用上のトルクは十分に確保されています。

── 型式が「JB」のままなのは先代のブランドイメージを引き継ぐためですか?

A:ジムニーに限らず、型式の社内規定についてはお答えしていません。

※以前のスズキの車輌はモデルチェンジ毎に型式名が大きく変っていました。しかし最近では、今回のジムニーやアルト、ワゴンR、ソリオなど、新型に移行しても同じ型式(前半のアルファベットは同じで、後半の数字が大きくなる)を使う例はよくあるようです。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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