歴代モデルの特徴である圧倒的といえる良好な視界、取り回しの良さを実現しながら、パッケージの面でも進化を遂げている新型ジムニー。
運転席に座るとボンネットの先までよく見渡せるのはもちろん、先代よりもAピラーの角度が立ったことにより、頭上や肩周りの余裕が生まれています。
実際にヘッドクリアランスは前席が50mm、後席は45mm先代よりも拡大し、ショルダールームも前席が20mm、後席は70mmも広くなっています。また、前後乗員間距離は40mm延長されています。なお、フロントオーバーハングはプラス10mm、リヤオーバーハングはマイナス10mmに変更。
さらに、アクセルペダルから運転席のヒップポイント間を30mmストレッチすることで、ドライビングポジションを改善。35mmの幅で調整可能なチルトステアリングも備わり、より幅広い体型の方をカバーしています。
ジムニーシエラは、タイヤサイズが変わったことで、前席のヒップポイントが15mm高くなり、より高い位置から前方を眺める感覚になっています。
なお、アクセルペダルからヒップポイント間のプラス30mm、前後乗員間距離のプラス40mmはジムニーと同じ。リヤオーバーハングのマイナス10mmはジムニーと同じ数値ですが、フロントオーバーハングは先代よりも40mmも短くなっています。
こうした巧みなパッケージングにより、居住性を向上させながら、ジムニーの最小回転半径は4.8m、シエラは4.9mで先代と同等。ただし、Aピラーを立てたデザインとすることで、横方向に視界を広げ、死角が小さくなった分、取り回しの良さを実感できるはず。
ほかにも、ドアの開閉を従来の2段階から3段階に変更し、乗降性を向上させるなどのメニューも盛り込まれています。
(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)