まるでSF映画に出てくる宇宙船に着いていそうな、F1のステアリング。
中央に液晶画面があるだけでなく、その画面を取り囲むように様々なボタンやダイヤルが所狭しと取り付けられ、レース中にドライバーが扱っている姿を目にすることも多いですよね。
「あのボタンは何の役割をしているのだろう?」と不思議に思うこともしばしば。
その謎を解き明かしてくれるのが、好評発売中の「F1速報ベルギーGP号」です。
■ステアリング攻略が第一関門
本誌には、全チームのステアリングがずらりと掲載。
ステアリングの写真を並べて見比べる事ってなかなかないですが、改めて見みるとそれぞれ特徴があって面白い! F1ファンにはたまらない1ページです。
その中からメルセデス-AMG F1 W09(ルイス・ハミルトン用)のステアリングが写真付きで解説されているのですが、各ボタンやダイヤルの機能はもちろん、ドライバーがレース中にどのような事をしているかも書かれていて「そんな事までレース中にやっちゃうの!?」と驚きの連続でした。
ストレートエンドのビッグブレーキ時にリヤタイヤがロックするのを防止したり、ブレーキを残しながら回り込むコーナーでアンダーステアにならないようにブレーキの前後バランスを変更するブレーキバランスボタンや、ブレーキのマッピングを変更するダイヤルといった現在のF1マシンに非常に大切かつ頻繁に使用される物は、扱いやすい右手の親指周辺に配置されるケースが多いのだそうです。
興味深かったのが、同じチーム同士でもボタンやダイヤルの配置や機能がドライバーによって異なる設定になっているということ。
ハミルトンのチームメイト、バルテリ・ボッタスのステアリング写真も大きく掲載されているのですが、よーく見てみると微妙に配置が違うー! これはご自身の目で確かめてほしいポイントです。
ドライバーによって異なる設定のステアリングが故に、ドライバーの努力が不可欠だというエピソードも。
「2年前にフェルナンド・アロンソの代役として、急遽レースに出場することになった当時のリザーブドライバー、ストフェル・バンドーンは、飛行機のなかでチームから送られてきたステアリングの取扱説明書を頭に叩きこむまでずっと読んでいたという」
さらにF1ステアリングの歴史を振り返るページでは、かつては円形だったステアリングが現在の形に進化していくまでにどのような過程があったのか年代を追って分かりやすく解説してくれていますよ。こちらもお見逃しなく!