前置きが長くなりましたが、バイクにおいてはターボを搭載した車両はそれだけレアな存在です。しかも、今回紹介するのはなんと原チャリ! ベースはホンダのレジャーバイク・DAX。エンジンマウント部を増設し3点留めに増やすなどして剛性を保ちつつ、フレームを大幅に加工。これによってロータリーミッションのスーパーカブ110(JA07型)のエンジンを換装。これに軽自動車用のIHI製タービンを用意し、+αを追加してモアパワーを獲得……というのが全体構成。
タービンはブリッツの調整式のブローオフバルブで加給圧が0.6kで逃げる設定。排気量が少ないということもありアクチュエータ(制御ユニット)は除去。ターボラグを極力なくすため、インタークーラーとサージタンクの容量は排気量(109㏄)に合わせて適正化し、レスポンスとスムースな回転を維持しています。
また、FI仕様になるため、燃料ポンプはアウトタンク式のエイプ50FI純正を採用。燃調についてはフルコンではなく、キタコ製のサブコン(iMap)とPLX社の空燃比計を用い、実走を繰り返してセッティングし完成を遂げたという。
ターボユニットを載せるだけでも苦労するのに、その機能を少排気量で活かすノウハウには驚きのひとこと! 他にも、フレームネックをチョップして全長を詰め、モンキー用スイングアームを流用してホイールを10インチから8インチに小径化することで全体のフォルムをコンパクトに凝縮している車体も見どころです。