【スバル・フォレスター試乗】時代の変化に合わせて進化し続けたフォレスター。正常進化こそクルマの正しいモデルチェンジだ

先代モデルと比較試乗ができたのですが、乗り心地に大きな変化は感じられませんでした。しかし、じつはこの変化のないことが凄いことであることが判明したのです。先代モデルが履いていたタイヤは225/60R17インチで、新型の試乗車は扁平率225/55R18だったのです。エアボリュームの少ないタイヤで同レベルの乗り心地を実現しているのですから、大きく評価されるべきでしょう。

 

今回の試乗では特設コースによるオフロード走行体験できました。コース路面はドロドロの泥ねい路です。試乗車はクロスカントリー方向に少しベクトルをずらしたXブレークで17インチのオールシーズンタイヤを履いていました。上り坂下り坂をメインにしたコースです。

結論から言えば何起きないかかのようにグイグイ上っていき、安心して走ることができます。4輪のブレーキを独立してコントロールし、接地輪に積極的にトルクを伝達するXモードが効率的に働くので、いったん空転してもその後登っていきます。このとき大切なのは空転しても躊躇せずにアクセルを踏み続けること。アクセルを踏み、空転するからXモードが働き接地輪に駆動力が伝わります。

ユーティリティ性にも優れるレギュラーガソリン仕様、さらにXモードによるクロスカントリー性能の高さなどなど多くの部分で高い評価が与えられるのが新型フォレスターです。

欲を言えばもう少しサイズが小さいと都市部での使い勝手が上がるでしょうが、それはXVに任せる部分なのかも知れません。あとエンジン特性(パワーフィールではない)に使いにくい部分を感じたのですが、それは公道試乗でもう一度確かめてから報告したいと思います。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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