2018年D1 Chinaシリーズ第2戦杭州大会に、チーム日比野哲也のスポッターとして参加しました。
スポッターは今回が北京の開幕戦から2回目、開幕戦で課題となったマシントラブルや言葉の壁、ニュータイヤマネジメントなど、出来る限り改善し、あくまで優勝を目指して戦いました。
選手に指令を出すスポッターという役割は、私のドライバーとしての幅を広げるのにもすごく役立ちます。ドライバーに的確な情報を提供する責任感や状況を把握する力を養うと共に、様々な選手の走り方を客観的に観ることで自分自身の走りに活かすことにも繋がります!
杭州大会は初めての会場で、初めてのコースレイアウト。小さなコースで、進入車速は110キロに設定されました。
D1チャイナでは、日比野選手はシリーズランキング4位のシード対象選手で予選は免除、金・土曜の二日間で、マシンセットをする時間的な余裕がありました。
私は全てのライバル選手の走りを練習から観察し、各選手の調子や癖を観察し、スポッター役に徹しました。
日比野選手は中国チームで乗る日本人ドライバー。これまでは言葉が通じず苦労してましたが、その課題をクリアするべく工具メーカーのTONEさんから中国語堪能なスタッフに同行頂き、今回はスムーズなチーム内のコミュニケーションが出来、マシンセッティングもしっかりと出来ました。
8月3日金曜日、開幕戦ではドライブシャフトが壊れるトラブルがあったので、しっかりとマシンチェックをします。
その他にギア比や、ライン取り、タイヤと路面の相性、空気圧など、短い時間の中でやるべきことはたくさんあり、練習はあっという間に終わってしまいます。
翌日4日土曜日は予選日です。予選免除のシード選手としては、2回の短い練習がとても重要です。この日は15分×2本の練習。
しかし中国は何があるかわかりません! 色んな外部的要素があり、案の定スケジュールにディレイが生じ、練習時間はさらに短くなります。結果、たった2周しか出来ないことになりましたが、ドライバー、スポッター間で無線交信し、素早く作戦を立て直します。
そんな状況でも世界のトップ選手の集中力が途切れることはありません! 時速100キロ超えから壁へ、数センチ単位でマシンのリアをアジャストし、ラインをトレースしていきます。
日比野選手はDOSS(D1 OriginalScoringSysrem)の点数が99点台を連発!単走優勝を狙います。
そして翌日の5日、単走ファイナルの日を迎えました。
前日同様99点台を連発しましたが、上位争いは熾烈… 1本目99.46点、2本目99.36点とし、単走結果3位でした。単走結果でラダーが決まったところで追走ファイナルへ。
ベスト16で当たったのは斎藤大悟選手。先行9.5 : 8、後追い6 : 5でポイント取れて、日比野選手が勝ち上がり。ベスト8戦は 藤野秀之選手。先行では100点の走り、後追いで2ランク取れて日比野選手の勝ち上がり。
ベスト4は 赵(Carlson)選手。後追いで1ランク取り、先行で100点の走りができて勝ち上がり。
決勝戦は川畑真人選手で、8 : 9.5・11 : 9.5とイーブンで延長戦に入りましたが、先行の川畑選手はとても速く、ビタビタの追走ができず2ランクは取れませんでした…
先行で100点の走りができたものの、逆に川端選手にビタビタな追走を許し、惜しくも敗北となりました。
日比野選手のコメント:
「今回の結果にはとても満足しています。やはり、マシンのトラブルが無ければ結果は付いてくるものだと感じました。日本から通訳に来てもらったことでチーム内のコミュニケ―ション、理解度が向上しました。
こうしたサポートをスポンサーさんにして頂き、おかげ様でシリーズランキングも2位になりました。次戦もシードされますので、次こそ単走、追走ともに優勝目指して頑張ります。今後とも応援宜しくお願い致します。」
スポッターとして私も微力ながら今回の好成績に貢献でき、大変嬉しくまたとても勉強になった大会でした!
加えて、私は今季レースでは欧州を主戦場に移し、ドリフトも昨年の中国シリーズ参戦に続きブラジルで大会参加するなど海外での活動が増えて来る中、こうして中国のビッグな大会でスタッフとして経験を積むことが必ず自身のドライバーとしての海外参戦にプラスになると思っています。
これからも応援をどうぞよろしくお願いします!
(塚本奈々美・レーシングドライバー)