過去を愛でるのではなく「昔から変わらない」思想を感じたスバルブース【オートモビルカウンシル2018】

こうした腰高なクルマというのは、そもそも重心が高くなり不安定になりやすい要素を秘めています。しかし、水平対向エンジンそのものの低重心にしてバランスのいい構造に加え、それをどのように積み込んだら安定するか。その部分も含めて「スバルのやり方」なのだということが、今回のスバルブース展示からは強烈に感じ取ることができました。

「同じ思想を受け継いで」というような文言で、過去の名車を持ち出して、その末裔である新車を紹介する手法はメーカー系のイベントではよく目にします。しかし、今回のスバルブースでの展示を通して、「あの頃はよかった!」とか思うことはなく、頑なに、それは見ようによっては頑固一徹という人もいるかもしれないほどに、ぶれずに守ってきたことが今も新車で買えるフォレスターで体感することができるというメッセージを感じ取ることができたのです。

水平対向エンジンを載せようとすればフロントのデザインは制約を受けるでしょう。なぜならボンネットの下のスペースを省くことはできないのですから。しかしそれを見ただけでも、変遷という名のもとに迷うことなく貫いてきた、水平対向エンジンと四輪駆動が織りなす思想は「今も終わることなく続いているのです」というメッセージに見え、登場したばかりの最新型フォレスターでさえ、オートモビルカウンシルで見せるべきストーリーの一部になっている展示だったように思うのです。

「圧倒的な個性」を「貫く」スバルを感じることのできた展示だったように感じたのでした。

(中込健太郎)