【週刊クルマのミライ】軽1BOXの「もっとも過酷な使われ方」とは? ホンダN-VANの開発エンジニアに聞く

常に工具などを積んでいる業種、重い設備を備えた移動店舗車などを想定しての質問でしたが、その疑問に対しては「宅配便です」と即答がありました。

ストップ・アンド・ゴーを繰り返し、またエンジンの停止・始動をなんども行なう宅配便の使い方は、クルマにとってシビアなコンディションなのだそうです。テールゲートやスライドドアの開閉回数も多く、そうした耐久性の設定においても宅配便用途は群を抜いて厳しいのだとか。

また、意外なところではキーの開け閉め回数も多いためキーシリンダーの摩耗も激しいのだそうです。さらに、繁忙期には350kgのフル積載状態で使われることも珍しくないといいます。

助手席まで格納して荷室とするアイデアを採用したN-VANは低床プラットフォームなこともあってアクティに比べて荷室容量が圧倒的に増えています。小さな段ボール箱(380×310×280mmサイズ)で比べると、アクティに収まるのが58個となのに対して、N-VANは71個も積むことができるといいます。さらに助手席側をBピラーレスの大開口としたことで荷物の積み降ろしもしやすくなっています。

こうした使い勝手の良さは、まさに宅配便での使用においてメリットとなるものです。細かい部分では、乗り降りの回数が増えることにシートのデザインを考慮することで対応。頻繫にこすれてもシート地が破れにくいようになっているのもユーザーの希望を受けてのポイントとなっています。

さらにN-VANは、先進安全装備「ホンダセンシング」を全車標準装備としています。ミリ波レーダーと単眼カメラを用いたホンダセンシングはAEBS(衝突被害軽減ブレーキ)やADAS(先進運転支援システム)において軽商用バンとしては圧倒的な性能を持っています。走行距離が長い働くクルマだからこそ、こうした先進安全装備が交通事故の低減に効果的なのは容易に想像できるところ。

N-VANの普及によって働くクルマの事故が減れば、それだけ社会的な損失も減ることが期待できますし、働くドライバーの労働環境改善にもつながることになりそうです。全車オートエアコン採用というのも、ドライバーにはうれしいポイントかもしれません。

■ホンダN-VAN L Honda SENSING(FF)主要スペック
車両型式:HBD-JJ1
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1945mm
ホイールベース:2520mm
車両重量:950kg
乗車定員:4名
エンジン型式:S07B
エンジン形式:直列3気筒DOHC
総排気量:658cc
最高出力:39kW(53PS)/6800rpm
最大トルク:64Nm(6.5kg-m)/4800rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:23.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:145/80R12
メーカー希望小売価格(税込):1,341,360円

※画像はイメージです

(写真・文 山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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