【新型ベンツ・Gクラス試乗】今ドキのSUVらしいフィーリング。新型Gクラスの走りは先代からどう変わったのか?

以前お伝えしたように、新型Gクラスの試乗前に先代(大幅改良前)に乗る機会があったため、先代の感触が残ったまま新型に乗ることができました。

先代まではステアリングの動きが良くも悪くもトラック的なフィーリング。「ヨイショ」という感覚でスローなステアリングを切ると、少しの間を置いてからクルマが曲がってくれる感じでした。

ラック&ピニオン式になった新型は、今どきのSUVらしい乗用車的な操舵感で、良くも悪くも古典的な感触は一切ありません。初めてSUVに乗る人でもステア操作に関しては、それほど違和感を抱くことはないでしょう。ロール量が半減したようなコーナリング姿勢で、知らず知らずのうちに速度が上がってしまうほど。その巨体を感じさせないフットワークには驚愕させられました。

さらに、フロントがダブルウイッシュボーンに変更されたことで、足の動きがスムーズになり、とくにオンロードでの快適性は数段高くなっています。これなら家族4人でロングドライブも快適に過ごせそう。また、4.0L V8ツインターボを搭載するエンジンパワーは、422ps/610Nmの標準仕様、585ps/850NmのAMGともに圧倒的な加速フィールが味わえます。とくにAMG G63は暴力的ともいえる加速で驚かされます。

新型のフィーリングは人により好みが分かれそうですが、個人的にはオンロードだけでなく、オフロードでも大型化されたにも関わらず、運転がしやすくなった印象で、毎日ステアリングを握るのであれば、新型の「現代化」は素直に歓迎できます。

それでも、Gクラスらしい、より個性的な味という意味では先代が好きという方もいるはずで、まだ併売されているうちに改良前をオーダーする手も十分にあります。もちろん、比較的コンパクトだった先代は、狭い駐車場でも駐車しやすく、ディーゼルエンジン仕様も指名できる利点もあります。

(文/写真 塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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