【新型クラウン試乗】旧型ロイヤル系を受け継ぐ新型クラウンの2.5Lハイブリッド。システム出力は6psアップ、JC08モード燃費も向上

新型クラウンでロイヤル系を受け継ぐのが、2.5L+モーターを搭載するハイブリッド車でしょう。カムリにも搭載されている「A25A-FXS」型エンジンを縦置きし、エンジンは135kW(184ps)/221Nm、モーターは105kw(143ps)/300Nmというスペック。ハイブリッドシステム全体では166kW(226ps)という出力を得ています。JC08モード燃費は「G」、「S」グレードが24.0km/Lで、0.7km/L向上。

以前試乗したクローズコースでも確認済みでしたが、2.5Lハイブリッドでも動力性能に不満はほとんどなく、電気式無段変速機との組み合わせによるスムーズな走りが印象的。ハイブリッドシステム全体では、先代からエンジンのパーアップ分の6psが上乗せされているだけですが、それ以上に感じさせるシーンもあります。

クラウンが以前から得意としてきた静粛性の高さ、乗り心地の良さはもちろん、上下動の少ないフラットライド感は、低速から高速域まで十分に味わえます。

また、新型クラウンは、BMW5シリーズやメルセデス・ベンツEクラスをベンチマークとしたそうですが、気負わずに乗れる素直な挙動も美点ですし、それが1800mmという全幅で実現しているのも感心させられます。

インパネに2つの画面を配置して、操作性や視認性に工夫を凝らしたとするユーザーインターフェイスは、好みが分かれそうです。個人的にはもう少しすっきりとした操作系が欲しく感じるなど、使い勝手には少し改良の余地も感じさせます。それでも、走りなどから「TNGA(GA-L)」プラットフォームの熟成ぶりが十分に伝わってきます。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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