北海道・利尻島の見どころをめぐるドライブコース(鬼脇〜仙法志)【車中泊女子の全国縦断記】

筆者が訪れた期間中は曇天の日が多かったのですが、利尻島には資料館や博物館が3ヶ所あるので、ジオラマや古い写真、遺物などを見て楽しみました。

【利尻富士町カルチャーセンター(美術館)& りっぷ館】(鴛泊)

営業期間:5月1日〜10月31日、月曜休館(6〜9月無休)、9〜17時(入館は16:30まで)、入館料300円(共通)。

館内には縄文時代から近世までの史料が処狭しと展示されています。お子様向けの発掘体験コーナーなどもあるので、雨天の時間つぶしにはちょうどいいと思います。

【利尻島郷土資料館】(鬼脇/写真)

営業期間:5月1日〜10月31日、休館日は5月〜6月/9月〜10月の火曜日(祝日の場合は翌日休み)、9〜17時(入館は16:30まで)、入館料200円。

旧鬼脇村役場庁舎を再活用したもので、大正2年に建てられた洋風建物はそれだけでも見に行く価値あり。裏庭は高山植物園になっています。

【利尻町立博物館】(仙法志)

営業期間:5月1日〜11月30日、月曜休館(祝日の場合は翌日休み)、9〜17時(入館は16:30まで)、入館料200円。

クマやクジラと思われる動物が刻まれているトナカイの角(北海道指定文化財)などの古代の遺物から、再現された番屋など近代までの史料が見られます。個人的には、写真家・長野重一氏が残した昭和30年頃の貴重な写真の数々が目を惹きました。

鴛泊港から約19km、鬼脇の町はずれにある総合交流促進施設【北のしーま】。看板の文字が消えかかっていて目立たないので、2回も通り過ぎてしまいました。

営業時間15〜21時、月・第4金曜休み、入浴料500円。狭いながらサウナと水風呂があります。なんと温泉は利尻富士温泉からタンクローリーで配湯してきているのだそうです。

【北のしーま】から約2.5kmで、利尻島屈指のビュースポット【オタトマリ沼(沼浦湿原)】に到着。広い駐車場に綺麗なトイレがあります。さすがに観光バスがひっきりなしに訪れ、2軒あるお店も大賑わいです。

オタトマリ沼を一周する遊歩道が整備されており(周囲約1.5km)、20〜30分で回れます。沼にはカモメがたくさん水浴びにやってきて、せわしなく羽根をバタバタと洗うような仕草を繰り返している姿を見る事ができます。沼と利尻山を一望する展望デッキは工事中、 完成は7月末の予定です。

【レストハウス】では、お土産品のほか軽食コーナーにてホタテ焼きやウニ軍艦巻きなどが味わえます。奮発してムラサキウニ(右/800円)、バフンウニ(左/1,200円)を食べ比べ! 筆者が滞在していた2018年6月中は荒天でウニ漁が数日間しか行われておらず、生ウニを食べられなかった観光客も多かったようです。

もう1軒の老舗【利尻 亀一】では、看板商品のイカ昆布ふりかけ『利尻ッ子』が一番人気。軽食コーナーではウニ鮨をはじめ人気の万年雪ソフトクリームや熊笹茶ソフトクリームなどもあります。嬉しい事にコーヒーと熊笹茶は無料サービス。

オタトマリ沼から少し戻って、ほぼ道向かいにある【沼浦キャンプ場】(無料)の脇道を600mほど上って行くと、頂上行き止まりに【白い恋人の丘(沼浦展望台)】があります。道幅は広くないけど、駐車場はバスでも停められる広さ。トイレはありません。

ここは、その名が示す通り北海道名菓『白い恋人』のパッケージに描かれている景色が見られる場所なのです。利尻山とは反対側の海岸も絶景ですよ。

【南浜湿原】

オタトマリ沼から約3km。ここは駐車場がとっても狭くて、普通車3〜4台分くらいの砂利スペースしかありません。観光バスもたくさん来るのですが、道向かいの丁字路に縦列路駐しています。バイオトイレあり。

周囲約100mのメヌウショロ沼にはトンボが舞い、カキツバタやタチギボウシなどが花を添えます。遊歩道は全長約1kmほどしかないので、ゆっくり回っても20分くらいです。

礼文島・利尻島が〝花の浮島〟と呼ばれるのは、エゾシカが棲息していないため食害から免れているというのも大きな要因でしょう。

北海道なのにエゾシカもキタキツネもいないというのは観光客としては不思議なものです。しかし今年、106年ぶりにヒグマが海を泳いで利尻島に上陸したため大きなニュースになっています。登山・トレッキングをする方は、熊鈴を携帯するなど用心してください。

【仙法志(せんほうし)御崎(みさき)公園】

南浜湿原から約4km。利尻島の南端に位置する、岩礁が広がる景勝地です。目の前には青い海、振り向けば利尻富士という絶好のロケーション。

駐車場にはトイレと休憩所があり、お土産屋さんも3軒あります。お食事処がないのが残念。(たまに駐車場で焼きたてパンが販売されます)

岬の突端にある【みさき物産】では特産の利尻昆布、ワカメ、そして何と言っても新鮮とれたてのウニを販売しています。天候次第なので、あればラッキー! 朝穫れのウニは格別ですよ。バフンウニの漁期は8月まで、ムラサキウニは9月までです。

そして海岸に造られた天然プールには、稚内の【ノシャップ寒流水族館】からアザラシが出張してきており、可愛らしい姿を見る事ができます。

【ドライブコース】

野塚展望台(前回の続き) → 利尻島郷土資料館 → オタトマリ沼 → 白い恋人の丘 → 仙法志御崎公園 → 利尻町立博物館 で約28km。

意外とお食事できるお店が少なくて、今回のルート上だと鬼脇にある【味彩 川一】か、オタトマリ沼のみとなります。がっつり食べたい場合は【味彩 川一】、そのあとオタトマリ沼で散策してデザートにするのがよさそうです。

次回はラスト、もうひとつのフェリーターミナルがある沓形(くつがた)へ向かいます。

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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