トヨタがルマンで1000馬力のスーパースポーツを公開。開発スタートを世界的にアピール

2018年のルマン24時間耐久レースに、現実的にトップが狙える唯一のワークスチームとして参戦しているトヨタGAZOO Racingが、ワークスマシンである「TS050ハイブリッド」と同等のメカニズムを用いた『GRスーパースポーツ・コンセプト』を公開、開発に着手したことを発表しました。

すでに日本向けとしては年初の東京オートサロンにおいて外観と中身の両モデルを公開していますが、世界的に開発のスタートをアピールしたというカタチです。

熱効率50%を実現するというパワートレインは、2.4リッターV6ツインターボエンジンとレーシングハイブリッドシステム(THS-R)により構成されたもので、最高出力は735kW(1000馬力)とTS050ハイブリッドと同等のパフォーマンスを持っているというのも注目点のひとつ。

まさに「レーシングカーからスポーツカーをつくる」という、トヨタとしてはこれまでにないアプローチで車両を開発しているというわけです。GRスーパースポーツのタイヤについては、レースで使っているミシュランではなく、ブリヂストンを履いていることをホワイトレターで示しているのもオールジャパン的な開発体制を予感させます。

トヨタが6 年間、WEC(世界耐久選手権) に挑んできた目的は、レースに勝つためだけではなく、世界最先端のハイブリッド技術とEV システムの開発を推進することにあります。究極の環境性能と突出した走行性能を高次元で両立させたワークスマシンのテクノロジーが公道に舞い降りる日はいつになるのか。

そして、6年間の集大成としてルマンで勝利することができるのか、注目のウィークエンドとなりそうです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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