凍結プロジェクト、トヨタ「S-FR」がコンパクトEVスポーツとなって蘇る日

トヨタ自動車が東京モーターショー2015や東京オートサロン2016に出展し、大きな注目を集めたFRコンパクトスポーツ「S-FR」。

現代版「ヨタハチ」を安価に世に送り出そうと計画されたモデルで、1.5Lエンジンを搭載したFRモデルとして開発が進められ、商品化が期待されていましたが、残念ながら、昨年7月の時点で開発が凍結されたようです。

その背景には多くの販売台数が見込めない状況の中で、専用となる縦置きエンジンや、トランスミッション、プラットフォーム等のコストアップがネックになっていた模様。

しかしながら、ここへ来てHV、PHV、FCVなどに代表される電動化戦略で先行し、コンパクトEVの開発を手掛けるトヨタにとって、「S-FR」を同社のEVバリエーションの1つに加える好機とも言えそうです。

と言うのも、EVであればパワーコントロールユニットや、駆動用モーター搭載位置の工夫次第でFRスポーツ車の要となる車両の前後重量配分を理想値50:50に近付けることが容易であり、同社の電動化技術をもってすれば、開発期間も大幅に短縮できそうです。

ちなみに、東京モーターショー出展時に公表された「S-FR」のスリーサイズは全長3,990mm、全幅1,695mm、全高1,320mm、W/B 2,480mmで乗車定員は4名。

意匠の質感を高め、120ps/30.0kgm程度の動力性能を確保、200万円以内で商品化できれば、新種の電動スポーツカーとして注目を集めそうです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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