それでは、実際の試乗でのテストについて紹介しましょう。今回3種類のプリクラッシュブレーキテストを行いました。
まずは駐車しているクルマの陰から歩行者が出てきて、緊急ブレーキを掛けるというもの。続いては物陰から飛び出してくる自転車の衝突回避を行うというもの。最後は第2世代TSSの最大のセールスポイントである、夜間の歩行者を検知し衝突回避を行うというものです。昼間のテストは実際に運転を行いましたが、夜間のテストは助手席に乗車して行いました。
物陰から歩行者が飛び出してくるデストは自車が時速40kmで走行し、時速5kmで移動する歩行者がクルマの陰から飛び出してくるというもの。速度調整は全テストでレーダークルーズコントロールを使用して行い。ドライバーはハンドルを握って前方を見ているだけです。
テストなのでココから飛び出してくるとわかっているものの、実際には「止まれない!」という恐怖心がこみ上げてきますが、第2世代TSSは正確に停止し衝突を回避します。
続いて行った自転車の衝突回避テストも同様に自車は時速40kmで走行し、時速15kmで飛び出してくる自転車を回避するというもの。実際の運転同様に前方にだけ視界を向けていると、気がついた時には右フロントに自転車がいました。人間のブレーキ操作では回避できないタイミングに感じましたが、第2世代TSSはキチンとブレーキを掛けて回避してくれました。
日が沈むのを待って行ったのが夜間の歩行者認知し、衝突回避を行うというテストです。このテストでは自車は時速30kmで走行し、静止している歩行者を避けるというもの。テストは3ルクスという明るさで行われましたが、実際には1ルクスまで検知可能とのこと。
黒い上着と青いズボンを履いた歩行者を街頭のない状態で、人間の目で認識するのは至難の業です。しかも認知してブレーキを操作するので、ほぼ間に合わないと感じました。しかし、第2世代TSSは歩行者の青いズボンを認識すると同時に衝突回避操作に入り、ビシッと停止してくれました。
運転支援システムが装着されているから、という過信は禁物です。しかし、こういったシステムが搭載され、正確に操作していれば防げる事故もあるのも事実。
先進の運転支援システムの進化は目覚ましいものがあります。こういったシステムがより多くそして価格の安いクルマに普及すれば、ヒューマンエラーによる事故は減少できると実感できました。
(萩原文博)