yuri 
アロンソ選手の話から、今度はテストの話に。「ル・マンに向けてこだわったことは？」という質問に小島氏は、興味深い話しをしてくれました。
「昨年のル・マンでトラブルがあった時にピットまでマシンを戻してあげられたら良かったのですが、できませんでした。なので春のテストでは、いきなり『部品が壊れた！』とダミーの情報を流してエンジニア、メカニックがどれだけ冷静に対応できるのか、はたまたエンジンのあるセンサーをこそっと外した状態で走らせ、それに対して『あれが外れてる！』とちゃんと言えるかどうか、避難訓練のような事をしながら準備をしてきました」
なんと中嶋選手は自らフロントウイングを取り外す練習もしたのだそうです！
「もしクルマがコースの途中で止まったらドライバー1人しかいないので、応急処置をして戻ってこれるように訓練しました。後、無線が壊れた時用に携帯電話をマシンに持参してもらっています」（小島正清氏）
フロントウイングの取り外しは「意外と重くて苦労した」と話す中嶋選手は、このテストの大切さを語りました。
「ピットに戻ってこれないと、その時点でレースが終わってしまうので……。特に今年のレースはいかに最後まで走りきれるかが大事だと思うので、そのための準備というのは、できることは全てやろうという感じで、冬のテストからこういう感じでしたね」
そして小林選手から「タイヤを1つ外してコースに出たことがある」とびっくり発言！
「3輪でコースインするなんて、よくサーキットも許してくれたなと思いますし、周りから見たら何をしているんだと思われるかもしれないです。でもそういう時でも、クルマを壊さずに帰ってくる。そんなテストは普通やらないですけど、そこまで本気でやっているということを理解してもらいたいなと思います」
最後に中嶋選手、小林選手からル・マン24時間レースの意気込みが語られました。
「今までずっと戦ってきて、毎年毎年皆さんの期待を裏切り続けてきてしまっているので『今年勝たなくていつ勝つの？』と当然思われていると思います。でも、プライベーターのチームも非常に手強い相手なので皆さんが思っているほど簡単ではないと思っていますし、24時間レースを問題なく最後まで戦いきることの難しさは誰よりも分かっているつもりなので、しっかりと地に足をつけて戦っていきたいです。そして今年こそトヨタのクルマどちらも表彰台に上って、ワンツーで最高の結果を皆さんに届けられるように頑張りたいと思います」（中嶋一貴選手）
「もちろん『ライバルがいなくて誰と戦っているんだ？』と思われていると思うんですけど、ルマンこそ、ライバルがいなくても戦う相手がいるんですよね。ゆっくり走るんじゃなくて、去年より速く、トラブルもなくしっかりゴールまで24時間持っていくというのが、本当の意味のチャレンジです。今年こそしっかり24時間トラブルなく走り抜けて、表彰台の一番上を目指すというのがもちろんドライバーとしての仕事ですし、チームとしての一番高い壁でもあるので、それをしっかりドライバーの一員として遂行できるようにやっていきたいなと思います」（小林可夢偉選手）
ル・マン24時間レースは6月3日（日）のテストデーを皮切りに、6月10日（日）、11日（月）公開車検、13日（水）、14日（木）予選、15日（金）ドライバーズパレード、16日（土）日本時間22:00スタートです。
今年こそトヨタの努力が報われ、勝利の女神が微笑んでくれると信じています！
（yuri）
