【ボルボ・XC60 D4 AWD 試乗】XC60の良さを引き出すディーゼルエンジンの特性と4WD

駆動方式はほかのXC60同様にフルタイム4WDです。もともと4WDのマイナス部分を感じさせないものでしたが、今回のディーゼルエンジンとの組み合わせはそれがさらによくなった印象です。トルク変動が少ないディーゼルエンジンは4WDとの相性がよく、走りの安定感がアップしています。

面白いことにクルマ全体としてのまとまり感が向上し、完成度が上がっている印象も受けました。

現行のXC60は新しく開発されたSPAと呼ばれるプラットフォームを採用し、2017年3月のジュネーブモーターショーでデビューしているので、まだ1年少ししか経っていないが、その間に工場側が製造になれてきたというか、いろいろな部分でのすりあわせがよくなってきたとか……そうした感じなのでしょう。じつにまとまり感があり、最初に乗ったときの印象よりもかなりいい印象がありました。


D4 AWDはXC60シリーズのなかでエンジンと車格のバランスがよく、高いレベルに仕上げられているモデルと言えます。254馬力のガソリンエンジンを積むT5と価格は同じで、モーメンタムが599万円、インスペクションが679万円となります。エンジン出力的はT5のほうが上ですが、ドライブフィール的にはディーゼルのD4がおすすめです。さらに燃料代はD4がリーズナブルになります。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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