【スズキ・スペーシア試乗】スペーシア カスタム ターボは軽量ボディと吸音材追加で静かな車内がポイントです

新型スズキ・スペーシア カスタム ターボの良さは3つあります。

1つ目は荷室の広さと使い勝手の良さです。

しかし単純に数字上で広いだけではありません。目標とされたのは27インチの自転車をらくらく積み下ろしできる空間の確保です。

このためリヤシートの倒し方にも工夫が凝らされています。ハッチゲートを開けた側から、背もたれにあるノブを操作するだけでバタンと倒れてフラットな荷室が出現するようになっています。

実際に自転車を中に載せる際に役立つよう、開口部の下側には前輪を乗せるための切り欠きも用意されています。

またスペーシア主要モデルに装備のサーキュレーターも、自転車を積み込んだ時に天地方向での干渉を避けるため、薄く設計されています。

特徴の2つ目は軽量に仕上げたボディです。スズキというメーカーはもともと車両を軽く作ることを得意としてきたメーカーですが、ここ10年くらいの車両ではこれに高剛性という要素も加えています。

全高1700mmを楽々とオーバーするこのクラスの車両は、普通に作っていけば1トン近い車重になりますが、スペーシアカスタムの車重は同クラス比較で数十kg軽くなっています。それでいて高い剛性も確保しています。

この軽量さは走りの良さへと直結します。アクセルを深く踏み込まなくてもグイグイ加速してくれるのは、物理的に軽い車両だからこそなせるワザです。

またこれに加えてスペーシア系は全車をISGという小型モーターを使ってマイルドハイブリッドとしているため(スタート時等にモーターがアシストするので)、出足の加速が良くなっています。

こうした軽量ボディと極低速域からトルクを上乗せしてくれるISGにより、結果的に燃費も良くなるという嬉しい相乗効果を産んでいるのがスペーシア系の特徴です。

3つ目の特徴は、スペーシア系のなかでもカスタムはとりわけ車内が静かだということです。スペーシアはもともと静粛性には気を使っており、ボンネット裏には吸音材が張られるなどしてうるさくならないように設計されています。

これに加え、今回紹介しているカスタム系ではエンジンと車室内を隔てる隔壁部分に吸音材を追加しました。

こうすることでスペーシア標準モデルよりも静かな土台を作っています。

またカスタムにのみに設定されるターボモデルでは、エンジンを高い回転まで回せなくても十分な加速をゲットしています。このため静かな土台プラス(高回転まで回さないことで)うるさくないエンジンという相乗効果で静粛性能の高さを実現しています。

軽量ボディで軽やか、そして静か。それがスペーシア カスタム ターボの美点です。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
続きを見る
閉じる