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<タイヤ担当:横浜ゴム>
サイズもなんとストリート仕様のまんま!
レースで重要なタイヤはヨコハマが担当したが、ストリートに近い姿ということで、市販ラジアルを採用。それでも輸出用A008というのがOPTらしいだろう。パターンはアドバン・タイプDだが、コンパウンドが違い、サーキット走行にも十分使えるのだ。
サイズは205/55、225/50、245/45のVR16を用意し、東名製ターボ・ホイールに組む。このホイールはいかにも男性的なデザインでブレーキ冷却効果もある。レースでは重量級ZXと300psのパワーを駆使するには容量不足だったが、162周走っても、ほとんどすり減らない点が完走に大きく貢献したのだ。
<サスペンション担当:東名自動車>
間に合わせのサスセッティングで苦労
実はサスペンションはNISMOスポーツが担当したが、レースには間に合わず、東名で製作した。コイルスプリングは1種類で、ダンパーもカヤバ(後は8段調整式)の市販レース用を加工して取り付けるという応急処置だ。
このため、車高調整もエンジンが載った予選前日に、コイルをカットして合わせる事態になった。スタビライザーもノーマルしかなかったのだ。
これでもサスはソフト気味で、しかもロールするためステアリングは鈍感で切り始めは曲がりにくく、オーバーステア現象も発生するという扱いづらさだった。しかし、第2戦からはNISMO製で強化されるのでコーナリングスピードは速くなること必至だ。
【裏話:ホントは予選落ち…だった!?】
当初、OPT300ZXはLD3クラスで登録していた。ところが、突然のランチア参入で、このレースは準国際格式から国際格式に格上げされてしまい、ドライバーのライセンスの関係からLD2クラス登録を余儀なくされてしまった。
LD2クラスといえば、寺田/従野/片山駆るマツダ737Cとか、レノマ84CなんていうグループCカー群の中で戦わなきゃいけないわけだ。
なんとなく「損した感じ」で迎えた公式予選。ベストタイムは84年度F3でシリーズランキング2位に輝く山田英二がマークした1分51秒67。このタイムは予選登録29台中25位であった。といえば聞こえはいいが、内2台は出走せず、さらに2台はリタイヤしたわけで、つまり……。おまけに予選通過タイムの1分49秒に2秒およばず……。厳密にいえば予選にて既に散ってしまっていたのだ。
しかし、出走台数が少ないという理由で嘆願書が受理され、決勝レースも走っていいよ!ということになった。多賀TMSC会長殿、ありがとうございました。ホント、一時はどうなることかと思ったが、予選で討ち死に!なんて、カッコ悪くてしようがないもんね。
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裏話のほうが面白かったりして!! でも結果、完走し賞金も頂いたのだからOKでしょう。次回は、ドタバタなピットレポートをプレイバックします!
[OPTION 1985年7月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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