スタートドライバーの谷川達也選手は、なんと約1時間50分ノーピットというロングランを行っています。ライバルの中でも昨年チャンピオンとなったライバルのスバル・WRX STIは1時間ごとの給油が必要。つまりアクセラディーゼルは倍以上の燃費を誇っているといえます。ここが野上監督の言うところの戦う意味という部分のひとつと言えるでしょう。
さらに、ピット作業を取材していても給油時間が明らかに短いのです。ルーティーンでのピット作業では給油時間の締める割合が高いので、レース中に生まれたタイム差をここで一気に縮めることも可能となります。だからこそトップとの周回差を3周に収めることが出来たといえるでしょう。
谷川選手のロングランの最中には、ST-Xマシン同士のバトルに巻き込まれての接触、そしてコースアウトを余儀なくされるというシーンもありましたが、豊富な実戦経験を持つ谷川選手の神業的マシンコントロールで最小限のロスにとどめながらコースに復帰。淡々と周回をこなしていきます。
そしてレース中盤からランサーEVO Xが2台とも調子を崩し、思うように走ることが出来なくなってくると、アクセラディーゼル「DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-D」は順位を上げていくのです。
そしてトラブルらしいトラブルを一切見せることなくラスト30分までには2位となり、3位以下とは10周以上の周回差をつけるに至りました。
そこで勝ち取った2位表彰台。3周差とで優勝したスバルWRX STIも少なからず脅威を覚えていると言われます。
今回は規定ピット回数2回で給油時間によるアドバンテージを活かしきれていなかったかもしれません。しかし規定ピット回数が増えればそのアドバンテージはかなり効いてくることは間違いないでしょう。そしてレース時間が長くなればなるほどライバルチームには規定ピットイン回数以上に給油のためのピットインも増えることが予想されます。
耐久レースは速さ以外にもいろいろな要素が絡み合って、初めて表彰台に立てるのです。燃費、信頼性まで含めて速さをカバーする要素はかなり多いのも耐久レース。それこそがアクセラディーゼル「DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-D」の戦う意味と言えるでしょう。
次戦の富士24時間レースは、気が付けば上位にいる可能性も充分に考えられるアクセラディーゼルに期待せざるにはおれません。
(写真・文:松永和浩)