「ユーザーの顔が見える開発を!」マツダが実践するセミナー型ファンイベント【サスティナブルZOOM-ZOOMフォーラム2018 in 横浜】

4月21日(土)・22日(日)の2日間、マツダR&Dセンター横浜(横浜市神奈川区)で「サスティナブルZOOM-ZOOMフォーラム2018 in 横浜」が開催されました。

本フォーラムは、マツダ車オーナーやファンを対象に社員がセミナーや各種イベントを開催するもので、今回で11回目となります。前回まではCSR活動の一環として、社内の担当部署が運営していましたが、今回からは全社的な取り組みとしてバージョンアップしました。

まず、「エンジン革新が実現するサスティナブル社会」は、常務執行役員・シニア技術開発フェロー・人見光夫氏による、マツダのエンジン開発に関するセミナー。他社が電動化に動く中、マツダが内燃機関の進化にこだわる背景や理由を詳細に解説するものです。

CO2排出において、EVこそが最良の解決策とされる現在の状況に対し、バッテリー製造を含めたトータルの視点でこれに疑問を投げかけたほか、今後、実際には内燃機関の役割が大きくなる予測も提示。開発のスピードを落とすことに警鐘を鳴らしました。

「語ろう!マツダへの想いや期待 社員と本音トーク」は、文字どおりユーザーと開発スタッフが直接意見を交わすフリートークセッション。前半はグループ討議、後半はおもな質問に担当責任者が回答するという贅沢な趣向です。

「絶対的に速いスポーツカーが欲しい」「モータースポーツに参加するべき」といった走りの話や、「グリーンのボディカラーが欲しい」「最近の提案型ディーラーをどう思うか?」というデザイン関係の話、あるいは「マツダもシリーズハイブリッドを出すべき」など話題は様々。短い時間でしたが、かなりの盛り上がりを見せていました。

「マツダデザインの挑戦」では、デザイン本部長の中牟田泰氏により自動車デザインの変遷や、いまのマツダのデザインに関する取り組みが丁寧にプレゼンテーションされました。

注目は「魂動」の次期ジェネレーション。「クルマはアート」と位置づけ、従来の情緒的な表現に日本の美意識を重ねる。その具体的なアプローチとして「引き算のデザイン」を展開するとされました。

「名車コスモスポーツの復元 レストアプロジェクト第1弾」は、100周年を迎えるマツダが打ち立てた「ONE MAZDA RESTOREプロジェクト」の初回となる、コスモスポーツのレストア報告です。

本プロジェクトは単に旧車をリフレッシュさせるだけではなく、その作業をとおして当時の哲学や思想、技術やファッションのトレンドを検証する目的が掲げられています。また、性能面の検証として、当時のスペックとの比較テストまで行われたのはマツダらしいところ。

その他、当日はラジコンカーなどのキッズコーナー、ドライビングポジションなど運転のプロによる体験コーナー、旧車の展示といった幅広いプログラムが用意され、家族連れでの参加も多く見られました。

いわゆるファンイベントは他社でも行われていますが、通常はメディア向けに用意されるような内容を惜しみなくユーザーに提供する本イベントは非常に貴重な機会です。

意見交換の中には少々率直すぎる内容もありましたが、こうした実直で丁寧な場の提供は、やがてメーカーとユーザー両者の意識向上につながるのではないかと思われる一日でした。

(すぎもとたかよし)

この記事の著者

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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