丘の中腹を拠点に開催された試乗会は、ディーゼルエンジンのトルク感を試すには打ってつけ。なお、同じ2.0LガソリンのTSIは、220ps/350Nmというスペックで、2.0Lディーゼルは190ps/400Nm。ディーゼルのトルクが分厚いのは当然としても、TSIエンジンのハイスペックぶりも数値から読み取れます。
2.0L TSIエンジンの走りの良さを知っていると、2.0L ディーゼルエンジンの力強さは思ったほどではないかも? と一見感じてしまいますが、それは急な上り坂 での話。平坦な街中や高速道路にステージを移すと、トルクバンドの広さと常用域でのこんこんと湧き出るようなトルク感は、やはりディーゼルの美点を備えていることを実感させてくれます。
パサートのTDIモデルも高速道路を中心とした巡行時が最もその利点を享受できるのは間違いなく、東京から九州まで無給油で行けるという「足の長さ」もこうした使い方をする方には、とくに高い満足感を得られるでしょう。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)