【ボルボ・XC40試乗】最近の「ベスト・ボルボ」と太鼓判を押せる理由とは?

ボルボのSUVシリーズで末弟モデルとなるXC40が日本デビューを果たしました。最近の輸入車はカタログモデルの登場前に導入限定車を先に上陸させるという手法を採っていますが、XC40も例に漏れず限定車として販売された「XC40 T5 AWD R-DESIGN 1ST EDITION」はすでに完売。

試乗車はこのローンチエディションで、全長4425×全幅1875×全高1660mmというCセグメント級SUVに、252ps/350Nmというパワーアウトプットの2.0L 直列4気筒DOHCターボを搭載。トランスミッションは8ATになります。試乗車のタイヤサイズは245/45R20で、カタログモデルの「T5 AWD」は235/50R19ですからより大きなサイズが与えられていました。

コンパクトカー向けの「CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)」をベースに仕立てられたXC40は、90シリーズ(XC90)や60シリーズ(XC60)で使われている「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」の技術を使うことも可能とのこと。

試乗前に気になっていたのが、「R-DESIGN」というスポーティグレードである点。ほかのボルボ車からすると見た目がスポーティな分、走り(乗り心地)もややハードという傾向があるからです。

しかし、「XC40 T5 AWD R-DESIGN 1ST EDITION」は、20インチというタイヤサイズにも関わらず、思いのほか乗り味はハードではありませんでした。むしろ、ボディ剛性感の高さもあって、路面から大きな入力があっても嫌な揺れにはならずフラットライドといえる乗り心地。

XC90、XC60の2台は「R-DESIGN」だと、ハードな乗り味も織り込み済みである必要があると思いますが、XC40では身構えなくて済みます。また、1690kg(サンルーフ付きは1710kg)という車両重量に、252ps/350Nmというスペックなら十分に速いといえる加速感をほぼ全域で味わうことができます。

一部のランドローバー車のような理想的なコマンドポジションまでには至らないものの、比較的ボディ前方の見切りもしやすくのも美点といえそう。ほかにも、背の高さを活かし、後席や荷室の広さというSUVのメリットを実現し、日本車顔負けの室内の収納性の高さもXC40の魅力といえます。

XC40は、独身の方やディンクスだけでなく、ファミリーでも十分に使える実用性を備えていますから、ボルボ・ラインナップの中でもかなりのシェアを占めるヒットモデルになりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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