新型スープラ登場を控えて「70スープラ」を今の目でチェック。超ロングノーズと大パワーが個性的

市販バージョンの登場まで間もなくの新型スープラが話題ですが、国内で初めて『スープラ』という名前を冠したモデルが登場したのは1986年。

このモデルは、その型式名から『70スープラ』と呼ばれます(もともとスープラという名前はトヨタ・セリカXX(ダブルエックス)の北米仕様向けモデルにつけられたもので、現地では1976年から販売されています)。

70型スープラは2L・NAエンジンとツインターボエンジン、そして3Lターボエンジンの3種類をラインナップして登場しました。


デビュー時は全長4620mm・全幅1690mmの5ナンバーサイズでしたが、1987年には輸出仕様に採用されていたブリスターフェンダーを装着して全幅が1745mmになったワイドボディ仕様が登場します。

1988年にはフロントバンパー周辺とリアのテールライトが変更されるマイナーチェンジが施されました。

1990年には3Lターボエンジンに代えて、2.5Lツインターボエンジンを搭載するといった変更が行われています。

今回のこの企画では、販売期間わずか1年というレアな個体、3.0GTターボS(3.0GTターボから電子制御ダンパーのTEMS、デジタルメーター等を取り外して買いやすい価格に設定したもの)をベースに『今の目で見た70スープラとはどんなものなのか』を見ていきます。

70スープラの外観で特徴的なのはその超ロングノーズ&ショートデッキのスポーティーなスタイルです。

通常、スープラのスタイルを語る際に取り沙汰されるのはこの長いボンネット部分ですが、実はドアも非常に長いのだと車両オーナーのTERU!さんは教えてくれました。

ドアの全長を実測してみたところ、なんと142cm! 軽自動車の全幅(148cm)ほどもあります。

「スーパーなどで駐車するとこのドアが災いして出入りが非常に大変です。でもこの大きな開口部のおかげでリヤシートには乗り降りしやすいんですよ」とTERU!さん。

グラマラスなワイドボディは非常に魅力的ですが、これもいいことばかりではないようです。

「ドアの部分は5ナンバー車と同じ細いままで、フェンダー部分のみが拡幅されています。このためバックで駐車する時には車両形状がつかみづらく、『うまく停めれた』と思っても降りてみると斜めに刺さってるということはよくあります(笑)」

内装はマルーン色でまとめられている(ボディカラーによってカラー設定は異なる)あたりが80年代テイスト。

「最近はコストのことを考えてか硬質プラスチックが使われることが多いのですが、スープラではダッシュボードやドア内張りの素材など全てにソフトパッドが使われています」とオーナー。

またリヤシートは成人が座ると頭がルーフに当たってしまうエマージェンシー的な位置づけですが、なんと3人がけ仕様です。実際にシートベルトも定員分備わっていましたが、できれば後席中央には座りたくないですね。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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