【最新ヴェゼル・ハイブリッド試乗】エンジンの存在感がある、走りが気持ちいいHV

ホンダ・ヴェゼルはフィットとプラットフォームの基礎を共通とするSUV。ボディはコンパクトですが室内は非常に広いです。

今回紹介するハイブリッド車では、リチウムイオンを下部に搭載しているにもかかわらず、荷室も驚くほどの広さを持っています。前席下に燃料タンクを置いていることで、もともと後席以降のフロアが低床になっていることがこの広大ラゲッジの秘訣でもあります。ちなみにハイブリッドモデルでも荷室高さは83cmと低めです。

そんなヴェゼルがマイナーチェンジを受けました。外観ではライトとグリルが変更を受け、顔つきが最近のホンダ流儀のクローム多め仕様になってます。

LEDウインカーも細長いタイプにデザイン変更されましたが、ちょっと残念なのは流れるタイプ(シーケンシャル)でないこと。N-BOXカスタムにもついているのでこれは欲しかったところ。

内装では、シート形状と素材変更が行われています。

ガソリン車では燃費の向上がなされ(21.2km/l)、ハイブリッド車ではシステムのチューニング変更もされています。出力は不変ですが、フィール面での見直しがなされました。

ホンダは3つのハイブリッドユニットを持っていますが、ヴェゼル搭載の機構はスポーツハイブリッドi-DCDと呼ばれます。これはエンジンとモーターをDCT(デュアルクラッチトランスミッション)でつなぐ独特のものです。

i-DCDのDCTには7速のギヤがありますが、このうち奇数段とモーターが常時噛み合っています。これによりモーターだけで走行したり、エンジンと一緒に作動したりするというのが基本構造。

変速時に発生する微細な段付き部分にもモーターがフォローしてくれるため、DCTではもともと小さい加速中の息継ぎ感が、ほぼゼロです。変速後もモーターがターボのようにパワーを盛ってくれるため、全体として力強い加速が味わえるのがヴェゼル・ハイブリッドの魅力なのでした。

この気持ちいい加速は同じi-DCD搭載のフィットやフリードとは違い、ヴェゼルならではの秘密もあります。それが特別仕立てのガソリンエンジンです。

フィットHVの1.5Lエンジンはより燃費志向のアトキンソンサイクルが採用されたユニット。一方でヴェゼル用は排気量はそのままに、パワー志向の直噴エンジンとなっています。フィット比で22psもパワー多く、しかも高回転志向なのでした。道理で力強いわけです。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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