そんなのあり? 展示車は「スイフトだけ」のスズキ 【バンコク・モーターショー2018】

スズキが今年のバンコク国際モーターショーに出展したのはスイフトでした。ステージ上のクルマから、平場に置かれた10台ほどのクルマのすべてがスイフトで、ほかの車種が1台も展示されていない特徴的なブースになっていました。こんな展示、ほかのメーカーではあまり見かけないものです。

スイフトの最新モデルは日本では2017年1月に発売されましたが、2017年3月のバンコクショーには間に合いませんでした。そのときには旧型スイフトをステージ上に展示していました。2018年2月にタイでの新型スイフトの発表にこぎつけたことから、今回のショーにはスイフトだけを展示したようです。

デュアルジェットエンジンを搭載する新型スイフトは、タイの新しいエコカー基準に適合し、税制上の優遇も受けられるクルマです。そうしたこともスイフトだらけの展示につながったのだと思います。

スズキはタイ市場に4ドアセダンのシアズ、コンパクトハッチのセレリオ、ミニバンのエルティガ、小型トラックのキャリイなど、それなりに充実したラインナップを用意しているのに、スイフトだけしか展示しないのというは、新型スイフトに対する力の入れ方が分かるというものです。

ただ、バンコク国際モーターショーは、見るためだけのショーではなく、販売するショーという側面があり、初日にVIPデーが設定されているのは有力顧客を招いて販売するためでもあります。肝心な販売初日にスイフトしかなくても大丈夫だったのか、心配になるほどです。いやむしろ、初日に来場する得意客にはぜひともスイフトを買ってもらいたいということだったのでしょう。

(文・写真:村木哲郎)