GT-Rの正規輸入を発表し、ひとり気を吐いた日産【バンコク・モーターショー2018】

日系メーカーの低調振りが際立つバンコク国際モーターショーの中で、ひとり気を吐く形になったのが日産です。ショー会場でGT-Rの正規輸入を発表しました。

とはいえ、日産・GT-Rが日本で発表・発売されたのは2007年ですから、すでに10年も前のクルマ。その間、年々改良を重ねて進化しているとはいえ、今さらの感は否めません。

当然ながらタイにも並行輸入の形でGT-Rが入っていました。完成車の輸入は100%くらいの関税がかかるため、並行輸入されたGT-Rは日本の3〜4倍に達する価格で売られていました。タイには高級車・高性能車を求める多くの富裕層が存在し、絶対的な台数はともかくGT-Rはそうしたユーザーに売れていたのです。

ただ、並行輸入ではタイ市場に合わせたチューニングなされていないほか、ハイパフォーマンスセンターがないためにきちんとしたメンテナンスを受けることもできませんでした。

そんな状況に対応し、正規輸入したGT-Rを売ろうとしたわけです。ショー会場でプレゼンテーションを実施したGT-Rの企画責任者である田村宏志さんは「単純にタイに持ってきたわけではありません。タイでの燃料を調べ、それに合わせてエンジンをチューニングしています。結果的に、欧州仕様に比べると動力性能が15psくらい低くなっていますが、そのほうがGT-Rの性能を正しく引き出せます」と語っていました。

ほかにも「タイの道路事情に合わせて足回りをチューニングし、ガチガチの足ではなく、しなやかさにも配慮した足にしている」とのことでした。タイでの価格は1350万バーツとのことですから、日本円に換算するとやはり3倍くらいになります。正規輸入でも関税はかかりますから、これは仕方ないところです。

日産はほかに、電気自動車のリーフやピックアップトラックのナバラなどを展示していました。

(文・写真:村木哲郎)