どうした日本車! 圧倒的な支持を得るタイで、新型車の投入がほとんどない珍事【バンコク・モーターショー2018】

東南アジアで最大の規模を誇るバンコク国際モーターショー。早くから主要な日系メーカー各社が進出し、日本車が90%に近いような高いシェアを持つタイでは、モーターショーでいろいろな新型車が発表されるのが例年の常でした。

特にタイで高い人気を持つピックアップトラックやアジア専用のコンパクトカーなどは、バンコクショーでワールドプレミア(世界初公開)が行なわれることが多かったのです。なのに、今年はこれといった新型車がありませんでした。

日産がGT-Rの正規輸入を発表したものの、タイではともかく日本では10年も前に発売されたクルマです。トヨタのCH-Rやホンダのシビックがメインで展示されていましたが、これらはすでにお披露目をすませたクルマです。

今年のショーがちょうど新型車の谷間になってしまったということなのでしょうが、「それにしても」と言わざるを得ません。筆者はアジア通貨危機の前から30年以上にわたってバンコク国際ショーをウォッチしていますが、このような珍事は今までにないことです。

日系メーカーの低調振りが顕著であるのに対し、ヨーロッパのメーカーはそれなりに元気がありました。たとえばメルセデス・ベンツは新型CLSを日本よりも先に発表していました。右ハンドル車についてはワールドプレミアの扱いです。同様にBMWもX2を日本よりも先に発表していました。

インドやインドネシア、マレーシアなどの市場が急成長を続けているとはいえ、タイは引き続き大きくて重要な市場であると思います。日系メーカー各社にはバンコク国際モーターショーにもっと力を入れて欲しいものです。

(文・写真:村木哲郎)