タイで正規販売がはじまったR35GT-R。日本仕様にあってタイ仕様にないものとは?【バンコクモーターショー2018】

バンコクモーターショーの会場をウロウロしていたら、日産ブースにベールのかかったGT-R(らしきクルマ)を発見。もしかして日本より先に新型が発売か!? とドキドキしたら、なんと正規モデルがタイデビューとのことでした。意外にも、今までなかったんですね。

そんなタイ仕様のGT-R。日本と同じ右ハンドルだし日本仕様と同じかと思ったら、意外にそうではなかったんです。

バンコクでもごくまれにGT-Rを見かけるんですが、今までのは並行輸入だったというわけ。ちなみに、同じ右ハンドルだからといって日本仕様を買うのは素人で、玄人はイギリス仕様を買うんだとか。だって日本仕様は速度リミッターが付いているから。

というわけで正規販売されたGT-Rは、現地のガソリン事情にあわせてオクタン価の低いガソリンにも対応したことで出力は15psほどタウンし、日本に比べると荒れている路面に合わせてサスペンションもセッティングしなおした「タイ仕様の足」なのだとか。もちろん、付いている理由のない速度リミッターも非採用でしょうね。

そしてそして、日本との違いでもっとも驚くのは価格。なんと1350万バーツもするのです。

バーツで言われてもよくわからない? ですよね。では日本円に計算してみると……なんと約4600万円也! 大事なのでもういちど書きますよ。よんせんろっぴゃく万円です。

とはいえこの価格は日産が不当に利益を上げているというわけではなく、タイの輸入車に対する関税や物品税が高いから。とくに高額車は高いんです。それにしても日本人でよかったですね。あのGT-Rを世界でもっとも安く販売されているんですから。いずれにせよ手の届かない存在ですけど。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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