マツダが次期アテンザに「直6エンジン」搭載か。その背景にある事情とは?

今では世界的にすっかり陰を潜めてしまった直列6気筒エンジン。高級車然とした滑らかな回転フィールやサウンドはクルマ好きにとって堪らないものでした。

直6エンジンが姿を消した背景には、衝突安全性の向上のため、エンジン全長を短縮して衝突時のクラッシュゾーン(潰れ代)を稼ぐためや、車両組立時のエンジン搭載性向上などが有ったようです。

長らくもてはやされた「直6」でしたが、その後エンジン横置きFFモデルとの共用に向く「直4」エンジンや、全長が短い「V6」エンジンにトレンドが移行しました。

しかし、近年になって「WLTP」(国際燃費基準)への対応が日本(2018/10~)を含めて必要となり、3.0Lクラス車などでは同基準のクリアに向け、理想的な燃焼で熱効率を上げるのに有利な直6エンジンが見直されているようです。

勿論、その背景には車体側の衝突エネルギー吸収技術の進化や、直6エンジンのコンパクト化により、かつてのように大きなボディ潰れ代を設けなくても衝突エネルギーを吸収できるようになったことが有るようです。

そうした中、メルセデスベンツが「S450」シリーズで直6エンジンを復活させました。さらに各種情報によると、マツダも次期「アテンザ」に直6エンジンの搭載を予定している模様。

こうした流れから、今後上級モデルを中心に直6エンジンの復活が予想され、伸びやかなデザインを伴った新型車の登場が期待できそうです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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