クルマを選ぶときにどうしても2列シート5名定員だと困ってしまうという人も多いことでしょう。とくに日本ではもしものときのためにサードシート付きのミニバンが選ばれることも珍しくありません。
レクサスブランドのなかでサードシートを有するのはフルサイズSUVのLX(ランドクルーザー200の兄弟車)しかありません。さすがにレクサスのミニバンは無理がありますから、このRXにサードシートが装備されたのは、多人数乗車を望む人たちにとって朗報と言っていいでしょう。
シートの数を増やす際にホイールベースを延長する手段はよく使われますが、今回ホイールベースは延長されませんでした。ただし全長は110mm延長されて、5mキッチリとなりました。こうしておいてサードシートを装着しました。
身長175センチの私が乗ると、サードシートはちょっと狭い印象となります。セカンドシートが最後部まで下がっているとかなりきつめで最低でも1段階は前に出しておいてもらわないと辛いです。また、セカンドシートの下にもつま先が入る余裕がありません。
ただ、乗り込んでみたのが比較的大柄な男性ですから、小柄な女性や子供なら比較的楽に乗ることができるでしょう。
また、短い距離ならサードシートに乗って移動することは十分に可能です。普段は5人乗りで2名分のエマージェンシーシートが付き、いざというときに7人乗りとなる5+2のように思っているといいでしょう。
パワーユニットは262馬力のエンジン+167馬力のモーターがフロントを駆動、リヤは68馬力のモーターで駆動するハイブリッドのフルタイム4WD方式でのみです。フルタイムといってもパワー差から想像できるように、リヤはあくまでアシストと考えたほうがいいでしょう。力強いトルク感があり、乗りやすく、車重が増したことにより足まわりも強化されているので、意外なほどスポーティです。
レクサスというブランドに乗りたいものの、いざというときの多人数乗車も欲しいという要望に応えたのがRXの5人乗り、かゆいところに手が届くクルマ作りを感じます。
(文・写真:諸星陽一)
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