グレードはV6 3.0リットルエンジンを搭載した「3.0 TFSI quattro」上級グレードのモデルです。官能的とは言えないかもしれませんが、十分に豊かなトルク館は常に感じることができ、かなり大柄なボディのこのクルマに身軽さを感じることができるようなエンジンでした。
大ぶりなシート、や、ゆったりとした室内。特殊かつ個別の条件での制約がなければ、やはり何事も大きいに越したことはない。それがクルマの真理のような気がしたものでした。
なぜそう感じたかというとこのクルマ自体、全長5メートル超、幅2メートル弱、重さも2トンオーバーながらその大きさを感じさせなかったからです。荷物もたっぷり詰めて、人もゆったり乗れる。そしてこのクラスのクルマでもカタログ上1リットル当たり12キロメートル弱走る燃費を誇っています。絶対的なエコカーとは別ですが、これはこれでやはりエコ。そう感じないではいられませんでした。
燃費をスポイルしない十分なパワーを誇るエンジンがこのクルマにはあっていると思いました。アウディの方曰く、2.0を積んだモデルもあるそうで、そちらも必要にして十分なパワーは発揮するとは言うものの、やはり余裕が違うとのこと。
このクラスにとって、もしかすると「必要にして十分」という評価自体が不十分なのかもしれませんね。
何よりダイナミックな加速が静かなのですから。今やこのクルマの躯体自体はベントレーベンティガやポルシェカイエンなど、名だたるプレミアムSUVのベースにもなっています。しかしそんな中に遭ってこのV6の、豊かながらこざっぱりしたライド感がカジュアルさもあって好感触です。