最近では車中泊をしながら気ままな旅をするという人も増えてきました。また、東日本大震災以降はクルマとしてではなく、災害時の自宅機能のバックアップとしても注目を集めているというキャンピングカー。
2月2日から4日までの三日間、幕張メッセで開かれた日本最大級のキャンピングカーの展示会「ジャパンキャンピングカーショー2018」に筆者も取材に行ってきました。
今回いくつかの楽しみの中に、新型「セブンシーズ」を見てみたい、というのがありました。
セブンシーズはキャンピングカービルダー「トイファクトリー」が、トヨタのマイクロバス「コースター」をベースに作るバスコンバージョンタイプの高級キャンピングカー。2017年にコースターは4代目に生まれ変わったのを受けて、先ごろ、このセブンシーズも新しいモデルへと移行しました。
限られた空間が移動する。クルマとはそういうものでしょう。特にキャンピングカーは居住空間になっていますので、欲を言えば少しでも広い方が快適性も機能面でも充実することは言うまでもないでしょう。しかしながら、なかなかそうもいかないというのがキャンピングカーの世界。あれもこれも機能が増えればどうしても価格も跳ね上がってしまうでしょうし、保管場所の問題もでてきます。
しかし裏を返せば、そうした問題がクリアできるのであれば、やはり大きなキャビンに越したことはない。そういうこともできるのです。
トイファクトリーのブースに行くと、見学は予約制になっていました。ところが、「キャンセルが入ったので開いていますよ、ご覧になりますか?」と、中を見せていただけることになりました。
靴を脱いで車内に入ると、一言でいうと「アパートの一室をクルマに乗せたような、しかも飛び切り高級なアパートを」そんな印象を受けました。
家具の類は高級感があって、スタイリッシュ。高級キャンピングカーに共通するポイントとして、間接照明など照明が洒落ていて、見方によってはムーディーで、インテリア全体を一貫したセンスで完成させているといったところでしょうか。
大きなテーブル、大きなベッド、何一つ我慢を強いるようなところはありません。外観はあくまでよく街で見かけるマイクロバス「コースター」。キャブコンバージョンをも超えるほどのゆとりがありながら、いたって普通、窓などは確かに埋められている部分などはありますが、ベース車両を大きく変質させるようなシルエットではありません。
そもそも輸入キャンピングカーの中には、日本の道路事情を考えていないために、国内での使用をためらうようなクルマも散見されます。その点コースターは、マイクロバスですので大きいですが、それでも国内での使用を十分に想定して作られたクルマがベースで安心です。ある種最強のキャンピングカーなのではないか、そんな風に感じました。