【ルノースポール・ジェネラルマネージャーに聞く】フランスから見た日本人のユーザー像とは?

ルノー・スポールの魅力をユーザーに伝える役目を与えられたルノー・スポール スペシャリスト。

そのルノー・スポール スペシャリストのスタッフ研修のために来日した、ルノー・スポールのオーバーシーズ・ジェネラルマネージャー、カルカ・ジャン氏に研修の合間を縫って、富士スピードウェイでのインタビューを行いました。

─── 日本におけるルノー・スポールの位置づけはかなり重要なものなのでしょうか?

カルカ氏:フランスではルノーのディーラーは400店舗程度あり、そのうち100店舗程度がルノー・スポール スペシャリストディーラーなのです。つまり25%程度ですが、日本は69店舗中、24店舗がルノー・スポール スペシャリストディーラーで、比率でいえば約35%となります。これはグローバルで見て非常に高い比率になります。日本でルノー・スポール ネットワークが確立したのは2010年ですが、それ以前に100台くらいのルノー・スポールが販売されています。そうしたことを考えれば、ルノー・スポールがいかに重要なモデルであるかがわかると思います。

─── ルノー・スポールの人気の秘密は何だと思われますか

カルカ氏:日本で売れている車は日本のクルマです。日本人はドメスティックなものを好む人たちだと思います。そうしたなかでクルマを売っていくには強い特徴が必要です。一つはカングーのようなもの。これは日本に存在しないパッケージングのクルマです。もう一つがルノー・スポールなのです。ドイツにはアウトバーンがありますから、パワーを掛けまくるようなクルマが生まれます。フランスには日本のようなワインディングがたくさんあります。だからマッチングもいい。そして我々はリーズナブルなクルマ作りをしている。ルノー・スポールのあだ名は“ベストバリューパフォーマンス”です。

─── 日本のルノー・ディーラー スタッフに対する印象はいかがでしょう

カルカ氏:彼らはとてもプロ意識が強くて素晴らしい人たちです。ルノーの文化的な部分もよく理解しています。ヨーロッパのディーラーマンはアグレッシブにセールスを行いますが、日本のスタッフはすべてのスペック、すべてのオプションを丁寧に説明し、あとはお客様が購入するかどうかを決めます。これはとても素晴らしい手法です。

─── 日本のスタッフに伝えたいことはありますか

カルカ氏:日本のスタッフ、つまり彼らを通じて日本のカスタマーに伝えたいことはメガーヌGTが素晴らしくいいクルマだということです。メガーヌは非常に台数が多い実用性の高いクルマですが、そのなかでGTというスポーティタイプ、運転を楽しめるクルマが人気になっています。メガーヌGTはパフォーマンスが高く、楽しく、そして安全性も高いクルマです。自動運転もいいですが、クルマを楽しむということをもっと知って欲しいですね。

そうしたスタッフは、年に1度行われる研修を受けることが必須。この研修にはフランスのルノー・スポールから講師が来日し行われていて、かつてはトップテストドライバーのロラン・ウルゴン氏も講師を務めました。2017年のルノー・スポール スペシャリストディーラー研修は富士スピードウェイで行われました。クリッカーでは、この研修を独自取材し、2名の日本人ルノー・スポール スペシャリストディーラースタッフの生の声を聞きました。

最初にお話をお聞きしたのは、ルノー四日市のベテラン店長、小林孝充さんです。

小林氏:私は2010年から毎年、この研修に参加しています。今年はメガーヌGT開発ドライバーのフィリップ・メリメさんが来日しています。私はここでフィリップさんから聞いた話をダイレクトにお客さんに伝えています。そうすることでお客さんが、ルノー・スポールのことを親密に感じてくれます。ルノー四日市のお客さんのうち25%くらいがルノー・スポール ユーザーなので、こうした研修でいろいろと情報を取り入れらなるのはとてもためになります。走ることがすべてではありませんが、ルノー・スポールに乗って走ることの楽しさを伝えることができます。モータースポーツ好きになっていただけるお客さんも多くいらっしゃいます。ルノー・スポールと日本の橋渡し役が私たちの役割ですね。

次にお話をお聞きしたのは今年で参加2回目というルノー柏の村上直樹さんです。

村上氏:私の勤めるルノー柏はルノー・スポール スペシャリストディーラーになってまだ2年とスペシャリストディーラーとしては歴史の浅いディーラーです。2016年に、ロラン・ウルゴン氏が来日した際の研修で私自身が初めてサーキットを走ったのですが、とてもいい経験となりました。お客さんのなかにはサーキットを走っている方もいらっしゃるのですが、ディーラーマンがそうした経験がないと「へえ、そうなんですか」で終わってしまいます。ディーラーマンがお客さんと同じような体験をしていることで、共感もできますし、サーキット走行の楽しさを伝えることもできます。また、こうした経験をアピールすることができるのも、研修に参加しているからならではと感じています。なにより、お客さんとコミュニケーションが取れるのが大きなことですね。まだ、ルノー・スポール スペシャリストディーラーとしての歴史が浅いため、ルノー・スポール ユーザーの割合は10%程度ですが、これからはどんどん増えていくと思います。

ルノー・スポールが単に販売されているだけでなく、ソフト面も含めてしっかりとブランディングされ、またさまざまな知識面、技術面で支えられていることにあらためて感心することとなりました。

(文:諸星陽一/写真:前田 惠介)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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